テニミュとは世界で最も霊界に近い場所!? ~男が観てみたテニミュ青春☆観戦記~【Part3】

 立海・白金2人組のコンビネーションでピンチに追い込まれる青学・黄金2人組。それを見た青学・桃城武(キャスト:石渡真修)は居ても立ってもいられず、「オレが記憶を取り戻させてやる!」と記憶喪失になった主人公・越前リョーマ(キャスト:小越勇輝)をスタンドから連れ出す。

 Part2の記事では触れなかったのだが、そういえばリョーマは会場に辿り着いた後、今までどうしていたのかというと、お行儀よくスタンドで決勝戦を観戦していた。「うわーすごーい!」「何コレ……?」「みんなどうしてあんなに必死なの?」と、完全なテニス処女である。2回戦・3回戦と進む中で、たびたび青学メンバーが「先輩たちの試合を観て何か思い出さないか!?」とリョーマに問うも、「すごい…」「速い…」みたいなすべてが初体験状態。小越勇輝の破壊力あるピュアネスぶりに、また次々と場内に棺桶がそそり立っていく。桃城は青学の優勝にはリョーマの復活が必須という使命感と、面倒見の良い兄貴分的な性格からリョーマへの心配が重なり、動かずにはいられなかったのだ。そんな桃城が歌い出す。“思い出せ、越前!”を。

「思い出せぇ~えちっぜぇんっ!」

 すっごいコブシ効いてる。ミュージカルとは思えないくらい、ミュージカルって英語で表記しちゃいけないくらい、いきなり男臭い。何度も繰り返される「思い出せぇ~えちっぜぇんっ!」。音節もそこで切れるのでインパクトが強く、音が重い。カタカナのシャープさで伝えると「エチッゼェンッ!」くらいのテンションだ。荒波の日本海が見えた。

 桃城が僅かな可能性にかけて、裏のグラウンドでテニスをリョーマに教え始める。リョーマは、桃城の速いサーブに怯えてしまう。何で自分が高速の球を浴びせられているのかすら、分からないからだ。記憶をなくし、あまりに変わってしまったリョーマの姿を悔しい気持ちでいっぱいで見つめる桃城。しかし、ラリーを続けるうち、グラウンドを右往左往しながらも、桃城の球に徐々に反応し始めるリョーマ。さすがはテニスの王子様。身体に染み付いた記憶だけは消えていないようだ。「いいぞ、越前!」 しかし、まだボールにラケットを当てられるようになった程度。決勝戦を戦うには絶望的だ。

 そこに、海堂と顔部分だけ包帯に穴の開いた乾が登場。あぶらとり紙で有名な京都の老舗『よーじや』のマークみたいだよ乾先輩! 3人がかりでリョーマにテニスの感覚を取り戻させようとするのだった。

 ここで場面転換。決勝戦の会場では、なおゴールデンペアの苦戦が続いていた。追い込まれるゴールデンペアの前に、先ほどまでグラウンドにいた桃城武(キャスト:石渡真修)が息を切らせて登場し、「時間稼ぎ、ありがとうございました!」とゴールデンペアに頭を深々下げた。超男前な表情をする2人のゴールデンペア。そう、2人もまた記憶を失ったリョーマが回復するための時間稼ぎをしていたのだ。見事なチームワーク…! アツい友情、オール・フォー・ワン、ワン・フォー・オール!

「そろそろ行くっしょ大石」「越前に繋ぐぞ英二」 そう言うと、真っ白なライトがゴールデンペアを照らす。シンクロ率が急上昇した効果音ととともに、キラッキラの満面の笑みで美術の写生モデルのようなポーズをビシッと決める2人! おおおお、これは!

ダサカッコ悪い!

 ダサカッコ良いようでダサカッコ悪い! 2人の笑顔が昭和だ。かつての歯磨き粉のポスターみたいだ。触手のような前髪以外はオールバック風の大石の髪も、アブラが3割増しかっていうくらいテカっている。“最後のゴールデンペア”は息のあったダブルスらしく、歌とともにプラチナペアとのダンスバトルの様相を呈してくる。コートも(正確にはネットとキャストが)グルグル回転し、賑やかなアトラクションのようだ。

 そして、青学が圧勝。あまりに形勢逆転が速すぎて、試合内容を把握し切れなかったが勝利が決まると喜びのあまり、菊丸が大石に逆サイドからの肩車(菊丸の股間が大石の顔側)で乗っかる。会場がどよめく。そっちイッちゃう?みたいな。1杯やってく?みたいな。正真正銘のゴールデンボールペアは(編集編注:ごめんなさい)青学の方だった。

 再び、場面はグラウンドへ戻る。桃城、海堂、乾の3人がかりで突貫工事の教育を施したことで、だんだん本格的な打球を拾えるようになってきたリョーマ。4人の化学反応でリョーマのヴォルテージは上がっていき、ついには桃城ら3人の必殺技を返すまでに。身体が記憶を取り戻し始めたが、記憶はあいまいでまだまだ不完全だ。そこへ、ちょった待ったー! と、現れたのはかつてのライバルたちだった。越前の前に強敵たちが勢揃いする。これは一体!? …というところで第2幕が終了。

 リョーマの記憶喪失問題以前に、主人公へ無事バトンタッチできるかどうかの瀬戸際の戦いが続いた青学。これで2勝2敗。いよいよ正念場だ。皆さん気が付いていると思うが、だんだん試合にのめり込み、男性うんぬん関係ないただのレポになってきている。果たしてライバルたちは何のために現れたのか!? リョーマは決勝に間に合うのか!? 記憶を取り戻せるのか!? というか、このレポは新たな発見を提示できるのか? そして、筆者の正念場も次回へと続くのだった。

~続く~
(文/ノグチアキヒロ)
※続きは近日公開!

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