テニミュの醍醐味はダブルスと腹筋と調査兵団!? ~男が観てみたテニミュ青春☆観戦記~【Part2】

 これは、大千秋楽前の“ミュージカル『テニスの王子様』全国大会 青学vs立海”に丸腰で乗り込んだ男が語る真実のドキュメンタリー ~Part2~である。

■Part1は【こちら

「え……Part2って…?」

 思ったよね。まさかの「Part2」である。先日公開された“前編”(Part1)を苦労して読んでくださった読者の皆さんはお分かりかと思うが、「前編あれだけ長くて、え…Part2って…? 前後編で終わりじゃないの? むしろ普通文章減らすよね?」って。筆者も思った。

 バイラルメディアが蔓延り、「スマホでパパッと読める短く簡潔な記事」こそがアクセスを集めるという時代の流れにも、おたぽるの編集方針にも全速力で逆行する行為である。そんな安易な時流に対し、常勝立海ばりに立ちはだかる記事だ。「情報を整理し、要点をまとめることを放棄している、もしくはその能力のない無能ライターなだけじゃないか」 そんなことは90%当てはまるが10%断じてない。この時点で、すでに読むことを諦めた人が続出していることだろう。その選択、正しい。「ウィニング・ロード」だ。筆者も諦めた。

 そう、これは勝負なのである。読むのをヤメるか書くのをヤメるか、どちらのラケットが先に折れるか、読者と筆者の我慢比べだ。真っ向勝負である。読者に一切優しくしないヴォリューム、にんにく・アブラ・野菜マシマシ、食べて達成感と後悔の念を抱かせるWEB記事のラーメン二郎だ。大丈夫、もう9割方こっちが折れてる。ガット2本しか張ってないっていうか、読者から豪速球飛んで来たら、なるほど貫通じゃねーのっつって。

 いや、もっとサクッとしたものを書くはずだった。で、いざ原稿に向かってみたら…リメンバー パッション……? パッションがセッションしちゃったっていうか。これもテニミュ愛の大きさの問題?っていうか、愛を試すための試練?っていうか。前編記事を公開した日がお誕生日だった跡部様も「読んでみたらいいんじゃねーの」って、ほら、スライディング土下座、すいません、方々からお叱りを受けています、本当に申し訳ございません、全部言い訳です。今「才気煥発の極み」会得したかなっていうか、「あと6球…」でライター生命が終わることを絶対予告できたんで。開眼しちゃったかな。

 また駄文に文字数費やして、おたぽるからも読者からも絶対予告より殺害予告受けそうなので本編へ行くことにする。さぁみんな元気に~ぃ、セイッ、ガスッゲスッガス!(早口で)

 9月21日、TOKYO DOME CITY HALLで開催された凱旋試合は、初戦からその交わるラケットが火花を吹き(演出としてもほぼ吹いてた)、驚異的な盛り上がりを見せていた。青春学園中等部(以下、青学)テニス部部長の手塚国光(キャスト:多和田秀弥)VS 立海大附属中学(以下、立海)の皇帝・真田弦一郎(キャスト:小笠原健)戦の興奮冷めやらぬテニミュ初心者(筆者)は、発作のように「手塚ファントム!」「動くこと雷霆の如し!」とつぶやきながら、真田の技「風林火陰山雷」の「陰」がなぜよりによってその位置に割り込んでしまったのかを考え始めていた。

 2回戦はダブルス。青学の乾貞治(キャスト:稲垣成弥)&海堂薫(キャスト:木村達成)ペアと、立海の柳蓮二(キャスト:水石亜飛夢)&切原赤也(キャスト:原嶋元久)ペアによる対決で、互いにクール&激情型キャラの組み合わせだ。テニミュではシングルスだけでなく、ダブルスも楽しめるのも魅力の1つ。乾先輩のデータテニス(相手の動きや球筋などを過去のデータから確率論で計算し尽くして対応する戦法。なお、試合中もその状況が常に彼の脳内で高速処理されている)を主軸に攻めにかかる青学に対し、その乾にデータテニスを教えた師(中学生分の人生の長さしかない中に、すでに高度な師弟関係!)でもある柳が、データの裏をかくように執拗に乾を追い詰める。完全無欠のはずのデータテニスがまったく通用しない…!

 ここでの戦いでは、柳役の水石亜飛夢から、初々しい演技の中にもクレバーな頭脳派キャラに成り切ってやろうという気概が感じられて好印象だった。同時に、今後役者として色気も出てきそうな可能性を感じた。

 切原の危険な打球でメガネを飛ばされる乾。戦法が通じない動揺は隠せない。すると、客席の大阪代表・四天宝寺中学校(以下、四天)の中でも明らかな“オネエキャラ”として一際異彩を放っていた金色小春(キャスト:福島海太)が、「プリティ・ジャーンプ!」となぜかスタンドから神聖なコートへ飛び降りる。個人的には「男と男の試合を男が邪魔するな!」と憤慨したが、「待ってました!」とばかりに沸く場内。おお、何だか彼にはイケメン的な要素では“ない”ところでの異様な人気を感じる。微笑ましく見守るような穏やかな笑いが起き、女性ファンたちはまるで“ゆるキャラ”に出くわした時のような反応だ。今までにない空気感。

 金色は乾の元に駆け寄り、不要なラブ・オーラを振りまきながら自分のかけていたメガネを渡す→乾、かける→度が強くて目がくらむ→乾、結局自分のメガネストッカー(すべて同じメガネ)から代わりのメガネを取り出す、という一連の流れがスムーズに進行。この長い舞台でこのシーン必要なのか。なぜデータ主義のキミが大切な試合中に、金色のメガネという異物を一度かけてみたんだ。理解できないよ、そんな無駄な……

ハッ、と冷静に我に返る。

 もしや、こんな所にも秘められた恋心とそれに応えられない乾の思いやり、ファンが喜ぶアレとかアレとかが隠れていたりするのか……考え過ぎか。考えないことにした。完璧なオネエの身のこなしを体得した動きと艶やかでハリのある声を使い、全力で金色を熱演する福島海太。テニミュの王道とは別ベクトルの高い演技力で人気を集めていた彼は、今後注目の逸材なのかもしれない。

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