渋谷ハロウィンでイキる気満々のリア共に告ぐ、それは断じて「コスプレ」ではないと!

千都さんコスプレ『ラブライブ!』東條希 髪と瞳の再現度に注目

「おたぽる」を運営しているサイゾーは渋谷にあるが、渋谷と言えば10月末のハロウィンだ。ハロウィンコスをして、夜の渋谷を闊歩しその様子をSNSにアップしようともくろむ人もいると思う。DJポリスを困らせない程度に満喫すればいいと思うが、ただその際に「渋谷でハロウィンコスしてきた」とSNSにアップするのは、用法として間違っている。なぜなのか。これはコスプレ雑誌『COSPLAY MODE』(シムサム・メディア)の編集人大門太郎氏と、同誌編集で、かつコスプレイヤー(以下、レイヤー)としても活躍する千都ちひろ氏に伺って、分かったことなのだ。

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■「仮装」と「コスプレ」は何が違うのか

――ハロウィンのコスプレと、雑誌『COSPLAY MODE』にあるようなコスプレって、何が違うのでしょうか?

大門太郎氏(以下、大門) ハロウィンの場合、コスプレというより「仮装」という方が近いと思いますね。「コスプレ」と「仮装」の違いは、模倣の対象の存在感の違いです。

「コスプレ」はアニメや漫画のキャラクターという模倣する明確な対象があります。一方ハロウィンの仮装も、定番の魔女などは一応ある種のキャラクターではありますが、コスプレのキャラクターほど、明確な「キャラ」はありませんよね。

――ハロウィンの魔女にはとんがり帽子など共通のイメージはあるものの、二次元のキャラクターのように「目は何色で、髪型はこう、服はこう」までの明確なイメージはないですよね。10人が魔女をしたら、服の色も紫や黒など、ばらけそうですね。

大門 海外のイベントでこういった話をした時に、仮装は「マスカレード」で、コスプレは「トランスフォーム」だと話をしました。トランスフォームだと「元の形」がありますよね。

千都ちひろ氏(以下、千都) 「自分自身」が前に出過ぎるとそれは「仮装」に近いんじゃないのかなと思います。

■コスプレをしようとすると、ブスになる?

大門 仮装は「自分が、自分が」なんですよね。「私かわいいでしょ」「俺イケてるだろ」こんな仮装対象を選ぶ俺のチョイスセンスあるだろ、面白いだろ」みたいな。
 
 でもコスプレってそうじゃないんです。キャラクターに「なる」ことがコスプレですから。本当にコスプレをしたかったら、かわいくなくなるんですよ。

――「かわいくなくなる」とは?

千都 結局、日本人女性の場合は「茶色いウィッグを被って茶色いカラコンをする」のが一番かわいくなるんです。黄色いカラコンを入れると、人間じゃないみたいな顔になりますから。でもそれは黄色い瞳のキャラクターに「なる」ためには必要なものです。「かわいくなくなる」を許せるかどうかというのがすごくあるんですよね。

――レイヤーを見て、なぜ日本人の顔立ちには似合いにくいであろうカラフルなウィッグやカラコンをするのか、格ゲーの2Pカラーみたいに髪色と瞳の色は茶色の方がかわいいのに、と長年疑問だったのですが、今の千都さんのお話でよく分かりました。

「コスプレ」でキャラのオリジナルの造形に反し、中の人のかわいいを優先させるのはサッカーをしているときに「キーパー以外も手使った方がボール取りやすくない?」というような、大本のルール違反なのだと。

大門 「コスプレ」と「仮装」はやっていることは似ているように見えて競技としては全く違うんです。なので渋谷の方をディスっているつもりはまったくないです。

――「あのキャラになりたい」コスプレと「夜の渋谷を仮装して闊歩。SNSでリア充アピもぬかりなく。もしかしたら何か、素敵な出会いも……」な仮装では、ゴールが違いますもんね。

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