ヘタの研究 vol.9

コスプレの評価基準は「かわいい」「似てる」だけではない――雑誌『COSPLAY MODE』に聞くうまいコスプレとは?

千都さんによる女性キャラコスプレ『アズールレーン』シリアス

「物事が“ヘタ”なとき、そこにはパターンや規則があるのではないか? そのパターンを知ればウマくなる手助けになるのではないか?」

 この仮説のもと、当連載「ヘタの研究」ではさまざまな物事の「ウマい、ヘタとは何なのか?」をその道の専門家に伺っている。今回のヘタの研究のテーマはコスプレ。隔月雑誌『COSPLAY MODE』(シムサム・メディア)の編集人大門太郎氏と、同誌編集で、かつコスプレイヤー(以下、レイヤー)としても活躍する千都ちひろ氏に「うまいコスプレ」をはじめとするコスプレ道について伺った。

 

■「かわいい/綺麗」「似てる」以外の評価基軸がある!

――コスプレが「うまい」とはどういう状態だと思いますか?

大門太郎氏(以下、大門)「綺麗」「かわいい」はよく使われる誉め言葉ですけれども、これは主観的な判断で、「うまい」となると、もっと 客観的な判断なのかなと思います。

千都ちひろ氏(以下、千都)「作品から出てきたかのようなレイヤー」はクオリティが高いなと思いますね。

大門 昔は「(そのキャラに)似ているか」が一つの「うまい」の解釈だったんですよね。「完コス(完全コスプレ)」という言葉もありましたが、今は「完コス」はあまり使わないんです。今は「似ていますね」が前ほど評価の対象になっていない感じはありますね。自分で解釈してコスプレをすると言いますか。

――「似ている」が前ほど褒め言葉としての強度を失っているということですが、そうなると今、コスプレの褒め言葉にはどういったものがあるのでしょうか。

大門 「素敵です」とかですね。「〇〇さん(レイヤー)のやる△△(キャラ名)は素敵です!」というような。△△というキャラを、〇〇さんがやっているのが素敵だ、と。

――私は二次創作をするオタクですが、確かに「この同人作家が描く〇〇(キャラ名)はキャラクターに対する理解や愛情をしみじみ感じて「素敵だ!」」という気持ちって、ものすごく心当たりがあります。逆に「絵はうまいけどテンプレ感満載でコレジャナイ感」みたいなものも確かにありますね。

大門 単純に容姿だけではなく、コスプレには衣装やヘアメイク、キャラらしい立ち居振る舞いなどさまざまな要素があるので「素敵です」という言葉の背景には相手の技術を認めている雰囲気がありますね。

――あえて「うまい」レイヤーをあげるとしたらどなたでしょうか。

大門 難しいですね。有名レイヤーがうまいというわけでもないので。

千都 「有名レイヤー」になるとやはり女性のレイヤーだと男性に人気のある、逆に男性レイヤーだと女性に人気のあるレイヤーさんになるんですよね。でも、有名レイヤーが「うまいレイヤー」か、と言えばまたちょっと違うんですよね。美少女のキャラクターだったら美少女を連れてくればそれなりに美少女キャラになりますし。

 複雑な武器の造形を自作できるのは「うまいレイヤーさん」と評価されていいんじゃないのかなと思います。

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