テニミュの醍醐味はダブルスと腹筋と調査兵団!? ~男が観てみたテニミュ青春☆観戦記~【Part2】

1410_tenimyu2_3.jpg四天宝寺中学校の面々。(ミュージカル『テニスの王子様』公式サイトより。)

 第2幕は、売り子に扮した四天の財前光(キャスト:佐藤流司)と遠山金太郎(キャスト:松岡広大)の掛け合いからスタート。バイトで部費を稼がなければならないということで、客席での販売営業を開始。で、売れないので、芸を披露して客の興味を引く作戦に。

 ダルそうな財前に対し、元気のいい遠山は「これどう?」「指ポーン!」と親指が取れたように見えるマジックを嬉々として披露する。一応遠山に付き合いつつ、「全然見えへん」とクールに突っ込む財前。大きな笑いと悲鳴が上がり、ツンデレ王子様・財前のN2爆弾級の破壊力にあちこちでせっせと墓標を立て始めるファンたち。挫けない遠山は「指ポーン!」を連発。微妙な空気になったところで「何やってんねん!」と、「ここにいたのね! ママ!」と言いたくなるタイミングで四天のイケメン部長・白石蔵ノ介(キャスト:安西慎太郎)たちが入ってくる。場内は当然、歓喜の悲鳴に包まれる。

 白石は遠山と一緒になって「指ポーン!」でひとしきり盛り上がった後、“我関せず”と隅っこにいたクールプリンス財前に“同じようにやれ”と無茶ぶりをする。歓喜の吐血でどよめく場内。「やってみ」と迫る白石。最初は拒むものの逃げられないと腹をくくった財前は、照れながら「指…ぽーん…」。場内では、自主的に棺桶に入るファンたちが大量発生。しかし、ダメ出しした白石は「顔が大事だ」とハイテンション顔芸の手本を見せる。財前は赤面しながらも白石を真似て渾身の“顔芸付き”「指…ぽーん…!」を放つ。よく頑張った財前!と涙した筆者を尻目に、白石「指大丈夫か?」財前「顔見てないし!」白石「もっかいやってみ」財前「指…ぽーん!」白石「指大丈夫か?」財前「顔見てないし!」 僕もそっと棺桶に入った。

「ハングアップ! カベドゥーン!」

 突如出現した巨大な萌えATフィールド墓場の静寂を破るように、“あの”オカマキャラ・金色さんがとんでもないテンションで舞台に登場。「こんなところでキュン死には許さん!」とばかりにほぼ“漢”として破壊神の如く、ハートマーク製造機と化したファンたちを棺桶から叩き出す。彼の一挙手一投足に笑いが起きていた。彼から感じる、溢れんばかりのパッションは何なんだ。場内の盛り上がり方も、ほかのキャストのキャーキャー感とはやはり違う。その異質で力のある存在感が個人的に印象に残った。

 四天のメンバーは青学を応援するということで、全員一緒に陽気なラテン風の曲をスタート。張り切って笑顔で可愛らしく踊る四天メンバーに、舞台袖からポンポンが投げ込まれる。

ポポポポ、ポンポン…!

 イ、イケメンがポンポン…だ……と…。イケメンにポンポン! 水もしたたるいいポンポン! テニミュ、一切の容赦なし。カワイイの権化・テニミュ神に慈悲はない。さすが大阪、どれだけ1粒で2度おいしい組み合わせ。あまりの美味に、両手を挙げたランナーのポーズで昇天し始めるファンたち。あの看板ってそういう意味だったのか。さらにメンバー全員が上着を脱ぐと、チアリーダーのようなタイトな服が出現。

ハハハハ、ハーフタイムショー!?

 目を疑ったよね。響き渡る悲鳴、絶叫。大多数の女性ファンも筆者も身体の色まで白くなってた、あのランナーみたく。銃で撃たれたと思ったら防弾チョッキ着てた衝撃っていうか、まぁ、撃たれたのはコッチだけど。しかも昼下がりの妻殺し、罪深き“腹筋チラリ”仕様。パンチラよりパンチある筋チラ。筋チラ、流行るかも。

 これだけ極上スイーツ食べ放題状態で「おいし…おいしい…!」と悶えさせておいて、最後にダメ押しのウェディングケーキ用意されてたっていうか。ウェディングベル鳴ったよね。そりゃ昼下がっちゃうよね。悲鳴とともに大昇天するファンたち。即身仏と化したテニミュ霊たちがホールの天井近くで行き場をなくし、浮遊しているのが見える。ちょっとした霊界への交通渋滞起こってたっていうか。ポンポンつけて腹筋見せてマンボのような曲を踊る、イケメン。天国ってこういう所か。そういえば四天宝寺っていう「宝」を祭ったお寺を参拝にし来たんだっけ……と意識レベルが危険水域まで下がってきたその刹那、テニミュさんが涼しい顔で「私の戦闘力は53万です」って言ったよね、僕に。

 「これがテニミュの元気玉か……!」っていうくらいの衝撃波に仰け反りながら「ご、悟空ぅ~~!」って叫びたくなるクリリン状態だったが、拙者は見逃さなかった。代名詞がおかしくなったが、そう、場内のそこかしこで怪しく光る“双眼鏡”のスナイパーたちを。

 筆者なんぞは舞台全体を把握するのでいっぱいいっぱいだったが、女性ファンたちは冷静に戦線を見守る兵士のように一切無駄のない動きでマイ双眼鏡構えてた。一瞬が生死を分ける荒野のガンマンばりのスピードで、バックから取り出してたよね。「スチャ」って擬音が鳴ってたし。みんな表情を崩さず真顔、かつ非常に厳しい態度で任務にあたっていた。あの瞬間、彼女たちがピンポイント(たぶん腹筋)で何を確認していたのかは知る由もないが(たぶん腹筋)、その雄々しい勇姿に涙した一兵卒は尊敬の念を持って敬礼するしかなかった。

 何と、まさかのPart2は1試合のレポで終わる。第2幕の試合、まだ始まっていないという。冒頭の前置きの長さも酷かったが、試合以外でこの文字量を割いたことに悔いはない。読者の引き潮の音は聴こえている。おたぽるにも本気トーンで怒られているが、「テニミュとは?」の答えはこういう細部にある気がするのだ、たぶん。……果たして、このレポは無事終わることができるのか? 続く!

~続く~
(文/ノグチアキヒロ)

※続きは近日公開!

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