テニミュとは世界で最も霊界に近い場所!? ~男が観てみたテニミュ青春☆観戦記~【Part3】

 これは、大千秋楽前の“ミュージカル『テニスの王子様』全国大会 青学vs立海”東京凱旋公演に丸腰で乗り込んだ男が語る真実のドキュメンタリー ~Part3~である。

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 先ほど衝撃的な事実を知り得た。テニスプレイヤー錦織圭選手の名前の読みは、「にしきおりけい」ではなく「にしこりけい」だったということを。

 今さら……! 思ったよね。絶望的である。あろうことか、テニス記事をすでに2本も掲載し、しかも文中で「錦織圭選手」を何度も話題にしたにも関わらずだ。前の記事を読んでくれた読者は「にしこりけい」として読んでくれていたと思うが、筆者は「にしきおりけい」として書いていた。Mac(雪ヒョウ。古い)だって、「にしきおりけい」で「錦織圭」って一発変換したから。会話で「にしきおりけい」って言っても、今まで誰も訂正してくれなかったし。早口だったから「きお」が「こ」に聞こえていたのかもしれない。

もう飽きたよね、この展開。

 血まみれの歴史に1つの答えが出る~ぅ、さぁ本編へと行くことにする。……勇猛果敢な曲で盛り上がる「ウィニング・ロード」だが『血まみれの歴史』って……やはり壮絶過ぎる歌詞。みんなテニスしよ、仲良く!

 時は戦国、2014年9月21日。TOKYO DOME CITY HALLにて、天下分け目の戦いが繰り広げられていた。それは……テニスの全国大会決勝戦である(中学生の)。頭が高い!

 2回戦、青春学園中等部(以下、青学)の乾貞治(キャスト:稲垣成弥)&海堂薫(キャスト:木村達成)ペアと、立海大附属中学校(以下、立海)の柳蓮二(キャスト:水石亜飛夢)&切原赤也(キャスト:原嶋元久)ペアによるダブルス対決は、覚醒した海堂が勇ましい追い上げを見せたものの、切原の執拗な個人攻撃(実際に狙撃である)に乾が倒れ、青学の2連敗が決まったのだった。全国大会の壁はやはり高かった。

 大阪代表・四天宝寺中学校(以下、四天)のメンバーによる衝撃のチアリーディング、幸せの黄色と緑のハーフタイムショーが終わると、場面転換。先ほどまでとは一転した暗い舞台上で、立海の切原と仁王雅治(キャスト:久保田秀敏)が登場し、恐ろしげに舞い歌う。そんな悪夢にうなされ目覚めた男は、病室にいた。

 なぜか顔面に包帯をぐるぐる巻いたミイラ状態。お見舞いに来ていた海堂の「先輩、大丈夫ですか」のセリフで、ミイラ男が乾だと分かる。負傷箇所は頭丸ごとだったのか。「手塚ファントム」の乱用で腕を故障しかけた(ほぼ故障)手塚国光(キャスト:多和田秀弥)部長に続き、青学からついに病院送りが出るという壮絶な決勝戦となってしまったわけだ。全国大会実行委員会としても誠に遺憾であり、世間やPTAにも申し訳が立たない前代未聞の事態。来年の穏便な開催は厳しいと見ていいだろう。……そういえば、すでにトーナメントの時点で、青学の河村隆(キャスト:章平)が病院送りになっていたんだっけか。血の気が引いた。これ、テニスなんだよね……?

 乾の場合、選手生命に関わる大怪我に変わりはないが、このままだとテニスではあまり見かけない引退事例になってしまう。顔面損傷により引退。「大丈夫だろうか……」と決勝戦の行方に想いを馳せるミイラ。キミが大丈夫なのか。

 3回戦は、青学No.2の実力者で“天才”不二周助(キャスト:矢田悠祐)と、悪夢からの使者・仁王雅治とのバトル。仁王はほかの選手のどんな高等なプレイスタイルもほぼ完璧に模倣できる「イリュージョン」の能力を持ち、“コート上の詐欺師”というなかなか中学生にしてはトラウマになりかねない異名を持つ。青春をかけて打ち込んだ部活動で“詐欺師”呼ばわり、今後の長い人生への影響の方が心配になるぜよ仁王。

 ラリーが始まり、コート上でぶつかり合う両者。テニミュでは実際にラケットでボールを打つことはなく、キャストの動きと打球の効果音をシンクロさせてラリー戦が表現されるのだが、筆者のように3試合目ともなると、そこにはないはずのボールが完全に見えてくる。不二が打った打球を目で追い、仁王のリターンでまた不二へと視線が返る。見える、見えるぞ、見えちゃってるぞ……! 首の動きは、完全にテニス観戦のそれ。顔をしきりに左右に振って周りを警戒する鳥状態だ。玄人となると、この左右運動の間に、ベンチにいる青学・立海、スタンドにいる四天といったスポットライトが当たっていないキャストの細かな動きまでつぶさに観察できるという。一体何の達人なんだ。まさに、シーズンを通して骨の髄までテニミュを楽しむ動体視力が鍛え上げられていくのだ。

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