『Fate/Apocrypha』から学ぶ!一番わかりやすい『FGO』原典紹介(後編)

・ネーミングセンスが事件を知らしめた

1705_fgo03_05.jpg<切り裂きジャックに襲われる女性。犯人像はもちろん画家の想像>

 実は「切り裂きジャック」という名前は、おそらく犯人が自称したものです。第4の殺人の直後、セントラル・ニューズ・エイジェンシーという通信社に、犯人からと思われる犯行声明文が届き、その内容が大きく報道されました。手紙の差出人の真偽はともかく、手紙の中で差出人は自らを「切り裂きジャック」と名乗り、ここで”切り裂きジャック”という単語がはじめて登場するのです。

 この声明文が届くまで、この連続殺人事件は「ホワイトチャペル連続殺人事件」と呼ばれていました。日本におけるリッパロロジストの第一人者である作家・仁賀克雄は「この声明文に”切り裂きジャック”という命名がなかったら、この事件は19世紀のいち犯罪実話として、これほど多くの人々の記憶にも歴史にも残らなかったろう」と、切り裂きジャックを取り上げた著書の中で解説しています。仮に「ホワイトチャペル連続殺人事件」と、そのままの名前で伝わっていたとしたら、あなたはこの事件に興味を抱いたでしょうか?

 先述の通り、世界ではじめて認知された「劇場型犯罪」であること、数多くの容疑者や陰謀論が語られるミステリアスな未解決事件であること。そして何よりも「切り裂きジャック」というセンセーショナルな通称が付いたからこそ、切り裂きジャック事件は今日まで多くの人々の興味を引き、研究され、同時に語り継がれているのです。

■黒のランサー:ヴラド3世(ワラキア公国、現在のルーマニア南部)

1705_fgo03_06.jpg『Fate/Apocrypha』(TYPE-MOON BOOKS)公式サイトより

 ヴラド3世は、15世紀のワラキア公国(現在のルーマニア南部)の君主であり、ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』に登場する吸血鬼「ドラキュラ」のモデルの1人として知られています。日本では「ヴラド・ツェペシュ」という名で知られていますが、これは二つ名的なあだ名であり、本名はただ「ヴラド」です。

 ヴラド3世の逸話は血生臭い残酷なものが多く、ヴラド3世が語られる場合、その残忍さばかりがクローズアップされがちです。ですが史実におけるヴラド3世は、確かに苛烈な行いこそしていたものの、それ以上にワラキア公国を立て直し繁栄させ、さらには国を守るために戦った名君なのです。

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