『Fate/Apocrypha』から学ぶ!一番わかりやすい『FGO』原典紹介(後編)

・異端の証拠は揚げ足取り

 ところがその後ジャンヌは国の裏切り(理由は不明だが諸説あり)を受け、ブルゴーニュ公国軍に捕まって捕虜となり、イギリスに売り飛ばされます。

 イギリスは「フランスは異端の者の助けを受けていた」という不名誉を与えようと、ジャンヌを異端審問にかけるためだけに、多額の身代金を払ってまで敵国の捕虜を引き取ったのです。

 ジャンヌに対する異端審問は、当然のことながらジャンヌに異端の烙印を押すためだけに行われました。ですが彼女は数々の悪意ある質問をことごとくかわし、言葉の罠をくぐり抜け、異端と認められるような証言を一切行いませんでした。

 長きに渡る異端審問において、ジャンヌからただのひとつも失言を引き出せず、しびれを切らしたイギリスは、当時殆ど形骸化していた「カトリックでは罪とされている女性の男装」を異端の理由に挙げはじめます。ジャンヌは「男集団の中にいるのだから男の格好をしていたほうがよい」と髪は短く切り整え、男物の服を着ていたのです。また戦場や牢獄での男装は、性的暴行から身を守るためという目的もありました。

 1年間に渡る裁判によって衰えたジャンヌは、内容の説明もないまま読めない書類に無理やりサインをさせられ、それが自ら異端を認めた、という証拠として挙げられてしまいます。これによってジャンヌは「男装をしたことを罪と認め、悔い改めた」ことになったのです。

 また、当時の異端審問のルールとして「異端を理由に処刑されるのは、罪を認めた後、もう1度その行為を行った場合のみ」という取り決めが存在していました。ジャンヌはこの後、牢獄で受けそうになった性的暴行から身を守るため、再び男物の衣類を着るようになります。

 この「男装はしないと誓ったが、それを破った」ことにより、ジャンヌは異端者(魔女)として火刑に処されたのです。彼女は最後まで十字架を求め、生きている間は常に目の前に十字架が見えるよう懇願し、死に至るまでキリストの名を叫んだと言います。火刑が済んだ後、遺体は灰になるまで念入りに燃やされ、セーヌ川へと流されました。

『Fate/Apocrypha』から学ぶ!一番わかりやすい『FGO』原典紹介(後編)のページです。おたぽるは、アニメ話題・騒動の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!