笑顔と涙の6公演！『舞台ドリームクラブ～涙の卒業!?ピュアなハートでSeeYouAgain!～』全通レポ【キャストコメント有】

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　公演のタイトルは「涙の卒業!?」であるし、ここまで泣いた話ばかり書いているが、公演のラストはホストガールたちも観客もみな笑顔であった。その立役者はほかでもない、ストーリーでピュアを求めすぎたがゆえに盛大な経営ミスをやらかした、“店長”ことドリームXクリエイト代表その人である。涙が混じった拍手のなかにニュッと現れ、店長コールのなか帰ろうとするなどギャグ全開な振る舞いで会場を笑いに包みつつ「卒業は本来めでたいものだから祝え」と言い放つ。その言葉に目からウロコが落ちた。

　そこからのライブパートはもう大変なものだった。下手側のソファに腰掛け、ホストガールが「ここにおいでよ！Gogo.」を歌う姿を見守るかと思いきやスカートを覗こうと動き回って怒られる始末。これには号泣していた観客も笑わずにはいられない。雰囲気ぶち壊しもいいところであるが、それが会場ではまったく良い方向に機能しているのだからこの店長は本当に侮れない。

　昨年10月に上演された「劇団ドリームクラブ ホストガール ライブ オンステージ #3」でさんざん「店長、悪いやつ」だの「帰れ」だのとコールされて「店長はマクマホン・ファミリーみたいなものだからね」と自分から言っていただけに、“自身にヘイトを集め、かつ主役の見せ場をきっちりつくる”というビンス・マクマホンらしい芸当をここ一番でやってのけたその姿には脱帽するしかない。

　かくして、劇団ドリームクラブの卒業公演は「さよなら」は言わずに笑顔で終幕を迎えた。ホストガールとイチロウ、店長が退場してから幕が完全に降りきるまでの数分間にわたり鳴り止まなかったあの万雷の拍手、あの魔法みたいな幸せな時間を筆者は忘れることはないだろう。

　実際に観劇した紳士淑女の諸氏はどんな場面が目に焼き付いただろうか。水着で腰を振るホストガールたちの美肌だろうか。亜麻音が「ドリームクラブが好き」と真に迫ったラストだろうか。魅杏が「みんなと一緒にいたい」と気持ちを言葉にして伝えたシーンだろうか。ギャグにもシリアスにも活躍しつつ「ストーリーをくれてありがとう」と語ったユウとエルの涙だろうか。

　本公演は映像化が予定されており(詳細は劇団ドリームクラブのTwitter：@geki_dreamclubをチェックだ)、ゲームを起動すれば彼女たちには毎週末と言わずいつでも会えるとはいえ、いつだってかまわない、感想の類は是非とも個人ブログをしたためてみたり、Twitterに投稿してみたりすることをオススメしたい。世に2.5次元ものの舞台は数多く存在するし、これからも増え続けていくだろう。しかし、思い出だけではいずれ忘れ去られてしまわないとも限らない。それはあまりにももったいないと思うのだ。筆者も見られるようなかたちだとなお嬉しいのだが。

　また、イチロウと店長を除く16名のキャストから“劇団ドリームクラブを通じて変わったこと・変わらなかったこと”についてコメントをいただいた。

＊　＊　＊

■亜麻音役　美波忍さん
　変わったことは、私は人見知りというか、ひとりでいたいタイプなので輪の中にあんまり自分から入っていけない感じだったんです。でも、みんなが家族みたいに話してくれるので、そういう集団のなかでの居心地の良さみたいなものが感じられるようになりました。亜麻音になってからここまで2ヵ月くらいなんですけど、この短い期間でやれたのはみんながいてくれたから。ここでギスギスしていたりしたら、絶対に亜麻音は演じられなかったと思います。

　変わらなかったことは「ドリームクラブが好き」というところですね！　もしかしたら、ほかの現場では入ってからつらくて「あんまり好きじゃなくなっちゃった」ってなる人もいるかもしれないけど、劇団ドリームクラブは外側から見ていたときも、入ってからもずっと好きなままでした。

 
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