笑顔と涙の6公演!『舞台ドリームクラブ~涙の卒業!?ピュアなハートでSeeYouAgain!~』全通レポ【キャストコメント有】

笑顔と涙の6公演!『舞台ドリームクラブ~涙の卒業!?ピュアなハートでSeeYouAgain!~』全通レポ【キャストコメントあり】の画像1写真はゲネプロ時のもの。

 2017年3月9日から12日にかけて、築地ブディストホールにて全6公演が開催された「劇団ドリームクラブ」による舞台『舞台ドリームクラブ~涙の卒業!?ピュアなハートでSeeYouAgain!~』。劇団ドリームクラブの概要に関しては前編(参照記事)をご参照いただくとして、本記事(後編)では、全公演を通して筆者が感じ取ったことをレポートしていこう。この記事が未観劇の読者にはその熱量を少しでも伝えるものに、そして空間を共有したピュア紳士・淑女の諸氏には舞台の感動を思い起こす一助になることを願う。

 劇団ドリームクラブの特徴として「キャラづくりが非常に優れている」という点は前編でも書いたとおりなのだが、こういった舞台で単一のタイトルに1~4年もの期間をかけるケースは稀だ。各キャストがキャラクターと長く深く向き合った結果として完成した演技は、原作のカラオケを再現したライブパートにおける“2次元への没入感”を与えてくれた。原作ゲームのオイシイところもきっちり押さえつつ、ゲームでは見られない姿を披露してくれるのだ。舞台の上にはたしかに“夢のようで夢じゃない”夢の光景が広がっていた。

 舞台の最終盤に展開した、各キャラクターによる原作主人公・ドリームイチロウへの独白シーンも注目のポイントだった。卒業公演まで追いかけてきたファンへの言葉とも受けとれるこのシーンは、3公演目あたりからキャストの目に涙が光り、千秋楽ではなんと袖からも号泣する声が聞こえるほどの高まりだったのだ (もちろん客席の紳士淑女は大泣きである)。もしかしたら、舞台上で演者が演技でない涙を見せるのはあまりよろしくないことなのかもしれない。

 しかし各公演の終わり際には涙を見せながらも公演ごとにダンスのキレは良くなっていき、演技そのものも笑えるシーンではより面白く、シリアスなシーンではより凄みを増していくのを筆者は目の当たりにしている。同じシーン、同じセリフでもそこから受け取れるエネルギーがまるで違うのである。“舞台は生もの”とは本当によく言ったもので、1年間の成長の集大成たるこの卒業公演そのものがひとつの成長劇となっていたのだ。だから、流した涙が舞台の完成度を上げていくのなら、それは素晴らしい涙だと筆者は思う。

 先述の通り、役柄に、そして劇団に対する強い思いが遺憾なく発揮された演技は舞台と観客のあいだの壁も、2次元と3次元のあいだの壁をもすっかり取り払っていた。“キャラクター”と“演者”の境などそこにはなかったのだ。筆者はここに2.5次元舞台の真髄を見た。

 荻原美里さんが“観客の代弁者”として演じたイチロウの存在は、その橋渡しとして欠かすことのできない存在だった。荻原さんがイチロウとして舞台に立ったのは今回の6公演のみ。だが観客席に颯爽と登場して「ホストガールたちの思いに応えたいという、お前たちの願いを俺が叶えてやる」「俺とお前たちは一心同体だ」と宣言、ホストガールたちの接客にノリノリだったり、水着姿にハイになったりと、間違いなく紳士淑女が望んだ“俺ら”の姿がそこにあった。“俺ら”の「ピュアー!!」という叫び、ピュアな思いをたしかに届けてくれた。

 公演前は「???」とされていたその役柄を読んでいたファンはいたと思うが、ここまで安心して観ていられる立ち回りをしてくれるとはさすがに思っていなかったのではないだろうか? イチロウも大千秋楽では涙を流していたが、それもまた号泣しながら舞台を見守る“俺ら”の姿を体現していたし、号泣している“俺ら”が「泣くな俺ら!」「イチロウ良かったよ!」とエールを贈る絵はあまりにも感動的だった。その時、“ホストガール”も“イチロウ”も、もちろん“俺ら”も含めた会場の全員の心が本当にひとつになっていた。

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