「“Anime”と言うと限定されたものになる」 山村浩二のアニメーションに対する思いとは?【後編】

 10月22日から31日まで、第28回東京国際映画祭が開催される。当映画祭では昨年よりアニメーションにも力を入れるようになった。その一方で、同じく昨年より3月末に東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)が開始されている。

 山村浩二監督は現在、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻の教授やASIFA(国際アニメーションフィルム協会)日本支部の理事、そのTAAFでもスーパーバイザーを務めるなど、幅広く活動している。後編では、2003年に第75回アカデミー賞でノミネートされた『頭山』から現在までの活動を伺う。

yamamura2-01.jpg東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻第6期生修了制作展@ユーロスペース

■アカデミー賞への道が思いがけず到来 改めて振り返る『頭山』ノミネート

『頭山』(2002年)

『頭山』は完成まで実に6年をかけた。NHKのBSで放送した『バベルの本』の後に、構想を練り始めた。

山村「テレビのシリーズとか単発の仕事の締め切りがタイトだったりとか、『バベルの本』の反省があったので、自主制作で自分の思いのまま納得のいく完成度まで持っていける作品を作ろうと思って、時間を惜しまずにゆっくりと作り始めました。語りも初めは小松方正さんという渋い役者さんを考えてたんですが、『バベルの本』のプロデューサーが、『頭山』を作っているのを知って、講談師の国本武春さんを紹介いただきました。

 それで国本さんのアコースティックライブを見に行って、ナレーターをお願いしました。完成の3、4年前、7割くらいできたところで依頼しました。その後、映像の流れができてビデオコンテ全体で10分くらいの尺で収まっているところで録音しました。制作途中、諦めかけた時もあったんですけど、今になってみれば本当に完成させて良かったと思います。ちょうどその頃、インディーズ映画を配給しているスローラーナーの越川(道夫)さんに、僕の過去の作品に関心を持ってもらえて、『ユーロスペースで上映しませんか?』というお話をいただきました。そして公開のタイミングと『頭山』のアカデミー賞ノミネートなどの話題が繋がるという偶然もありました。

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