「“Anime”と言うと限定されたものになる」 山村浩二のアニメーションに対する思いとは?【後編】

yamamura02-03.jpg東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)公式サイトより。

 最後にアニメとアニメーションの違いについて聞いた。海外では90年代から徐々に“Anime”を冠した雑誌の刊行や「Anime Expo」などのイベントが増えてきて今に至る。

山村「それも悩み続けてはいるんですけどね。TAAFはそういう名称なんでアニメと言いますけど、それ以外では全部アニメーションって言ってるんです。別に差別化はしてなくて、アニメーションは全部アニメーションでしょうと。逆にアニメと言うと差別をしていることになるんで。『頭山』がアカデミー賞にノミネートされた頃から、取材を受けた際に字数の関係でアニメと略されるのを、しつこいくらいにアニメーションにしてくださいと言っていました。新聞の場合は見出しだけは編集長の一存で決まるそうで、直してもらえないことが多かったですが。

 それとテレビシリーズが海外でもポピュラーになっていて、海外では日本のマンガ映画が“Anime”として流通していて、マンガ原作の作品は、それ以外のアニメーションとは別の分類になってるんですよね。マンガ文化から来ている作品を“Anime”ととらえているようで、 “Anime”と言った時に一般的にイメージするものがかなり限定されたものになるので、それを避けたいなと。また僕自身、日本のマンガ文化には影響を受けていますが、アニメーション制作そのものはNFB作品が原点でしたし、美術表現の一部と考えていたので、“Anime”と呼ばれることに違和感があり、意識的にアニメーションと言ってきたんですけども」

 前編から読んできた人なら、基本的に文中で「アニメ」と略した箇所がないことに気づいたと思う。そして山村監督のアニメーション人生が、赤塚不二夫の『もーれつア太郎』から始まったことにも留意したい。
(取材・文/真狩祐志)

■ヤマムラアニメーション
http://www.yamamura-animation.jp/

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