「“Anime”と言うと限定されたものになる」 山村浩二のアニメーションに対する思いとは?【後編】

■アニメーションは全部アニメーション “Anime”と言うと限定されたものになる

『カフカ 田舎医者(予告編)』(2007年公開)

『年をとった鰐』の後に作った『カフカ 田舎医者』が07年、オタワでグランプリを受賞した。『頭山』でフランスのアヌシー、クロアチアのザグレブ、日本の広島でグランプリを受賞していたため、これにより世界4大アニメーションフェスティバルを制した。

山村「『カフカ 田舎医者』は契約が成立すると、完成まで1年と3カ月しかない中で21分の制作はかなりハードでした。その間にも『マイブリッジの糸』の企画書や絵コンテ、スケッチを少しずつ進めていました。

『カフカ 田舎医者』が終わった後に、藤幡正樹さんと堀越謙三さんから東京藝術大学大学院教授の依頼を受けました。国立大学で映画を教えてないのは先進国で日本だけということで、各国を視察していたら『日本だったらアニメーション科を作った方がいいでしょう』と言われたらしく、映像研究科にアニメーション専攻を新設することになったそうです」

 そしてTAAFのスーパーバイザーの話が来たのは13年。広島では長編作品の上映もあるものの、コンペティションは短編部門のみである。山村監督はTAAF開催にあたり長編部門に関する提案も行った。

山村「唯一バイザーらしいことを言ったのは『長編もやったほうがいい』くらいですけど(笑)。自分はずっと短編にこだわってやってきたんですが、2010年くらいになって、短編の数は増えてるけどなんだか面白くないなと思い始めていたところで、長編のほうが面白い作品がいくつかあって、今までにないタイプの長編の作り方がされてきてるなと感じていました。

 新しい映画祭をするなら短編に逆戻りするんじゃなくて、第三国も制作していたりと、潮流として面白くなってきてるのと、映画祭自体、商業スタジオが主体の日本動画協会がホストなので、長編コンペティションをやらない理由はないと。映画祭というのはどこよりも早く最新の作品を知る場でもあるので、広島にはないという特徴づけとしてもやった方がいいと思いました。

 準備の1年前なので『長編は無理です!』って言われたんですが、考えてみると短編を数千作品も審査するよりも、長編を数十作品だけのほうが労力はかからないはずなんです。TAAFの話が来る数年前から東京国際映画祭でも何かアニメーションの上映企画を、と話をしていましたが、実現しませんでしたので、TAAFでできて良かったです」

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