「“Anime”と言うと限定されたものになる」 山村浩二のアニメーションに対する思いとは?【後編】

『頭山』の最初の国際映画祭はカナダのオタワでした。上映後の評判も良かったのですが、ノミネートされたものの何も賞は取らなかったのです。それ以前では『バベルの本』や『キップリングJr.』などもノミネートされていましたが、今回はより納得いく作品で、これでちゃんと映画祭で見栄えのするものが上映できたのに、残念なスタートでした。一緒に映画祭に参加されていた古川タクさん夫妻が、僕以上に残念がってくれました」

 アカデミー賞では『頭山』が短編アニメーション部門にノミネートされた一方で、長編アニメーション部門にノミネートされていたのは受賞にまで至った『千と千尋の神隠し』だった。いつかアカデミー賞にと思う監督は多いと思うが、その手順が意外とアッサリしていることは相変わらず知られていないようだ。短編のエントリー資格はロサンゼルスで一般興行するだけで得られるので、商用制作の場合は、その予算も念頭に置くべきではなかろうか。なお『頭山』の場合はアカデミー会員から声がかかった。
 
山村「偶然そこにアクメ・フィルムワークス代表のロン・ダイアモンドさんが来ていて『アカデミー賞に出さないか』って。オタワに行ったお陰でアカデミー賞につながったので、行って良かったですね。短編の場合は、アメリカで3日以上上映した証明書があればエントリー資格が得られます。手数料を取ってそういう業務をやってくれるとこもあるんですよ。そうやって応募することはできるんですけど、ノミネート最終候補には、基本的にアカデミー賞の公認映画祭でグランプリを受賞した作品が並んでいます。

 アカデミー賞はノミネートの発表があった途端に、テレビや雑誌の取材の依頼が、次々と来ました。『情熱大陸』の取材は『頭山』とは直接関係なく、偶然です。たまたまテレビマンユニオンのディレクターさんが僕の作品を好きで、上司に無名の僕の企画を通してくれました。番組的には最後は『アカデミー賞を取れませんでした』になりましたけど」

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