短編アニメーション作品が抱えるジレンマとは?「tampen.jp」開設に見る業界の“根深い問題”

1402_tampen.jpg「tampen.jp」公式サイトより。

 1月27日に、短編アニメーション情報サイトの「tampen.jp」が開設された。関心のある人でないと日頃なかなか接する機会のない短編アニメーションに関する情報だけに、各媒体もニュースとして取り上げた。

 ただ「短編アニメーション」を「短編アニメ」と称している媒体が少なからずあり、毎度のようにウンザリしている人も一部いるようだ。常に「アニメとアニメーションは別物」、「アートと呼ばれるのも違う」といったジレンマも抱えているのが、短編アニメーションの世界なのである。確かに接する機会がないと、なんのことだかサッパリわからないだろう。

「短編アニメーション」という言葉が、単に作品の尺の短さだけでなく(30分以内。アカデミー賞は40分以内)、ほかにも意味を有してしまっているのが一因でもある。恐らく「短編アニメ」と記す媒体などは、まず最初に作品の見た目が“セル調”の作品を思い浮かべていると言えなくもない。しかし短編アニメーションは、見た目が“セル調”でない作品のほうが圧倒的に多いのである。

 こうした難解な事情はあるものの、それを跳ね除けて余りある多様性が短編アニメーションにはある。例えば2月5日から展示会が始まった第17回文化庁メディア芸術祭には、これらの作品を目的とした来場者も多く訪れる。毎年アニメーション部門以外にも、アート部門とエンターテインメント部門でも短編アニメーションに該当する作品があるので留意したい。また、2月2日に開催されたコミティア107でも短編アニメーションを見ることができた。こちらは同人誌即売会なのでマンガが主体となるが、オリジナルのアニメーション作品でのサークル参加者も散見される(同人誌即売会ではマンガが主体であるためか、基本的に“セル調”に準じた作品が見受けられる)。

 そしてこのほかによく短編アニメーション界隈で取り沙汰される話には、「それを生業として生活できるのか」というのもある。短編アニメーション=作家というイメージもあるためだが、事業規模とは関係なく長編やテレビシリーズを制作するアニメスタジオでも、オリジナル作品のみでやっていけている例が多いのかどうかを考えてみるといいだろう。ちょうど『ヤッターマン』など、数々の自社版権を持つタツノコプロが日本テレビ傘下になったところでもある。

短編アニメーション作品が抱えるジレンマとは?「tampen.jp」開設に見る業界の“根深い問題”のページです。おたぽるは、アニメ話題・騒動の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!