『ちびまる子ちゃん』脚本・高橋幹子インタビュー!! 話題になったあのエピソード誕生の過程とは!?「いい話だなー」率の高い注目脚本家を直撃!【後編】

1611_maruko01.jpg(C)S.P/N.A

 1990年のTVシリーズ放送開始から今年で26年目、日曜日夕方を彩るアニメとしてすっかり定着、『サザエさん』(フジテレビ系)や『アンパンマン』(日本テレビ系)、『ドラえもん』(テレビ朝日系)などと並んで、“国民的アニメ”と呼んで差し支えない存在感を誇る『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系/原作:さくらももこ)。

 そんな国民的アニメの、知っていそうで意外と知らない制作過程について、『永沢、班長になる』の巻」「『たまちゃん、班長になる』の巻」(記事参照)を手掛けるなど、担当した脚本回の評価も高い、『ちびまる子ちゃん』の脚本を担当する一人、脚本家・高橋幹子氏、日本アニメーション制作担当・熊谷那美氏に教えてもらったインタビュー【前編】に引き続き、【後編】をお届け!「おたぽる」でも度々取り上げている、高橋氏担当脚本エピソードがどう作られているのかについて、お2人にお話を聞いた!

■いいお話すぎて中学校の道徳の授業にも採用!?

―― 比較的最近、今年に入ってから高橋さんが担当されたエピソードについて一言ずつコメントをお願いします。まずは「『まる子、お年玉で蟹を買う』の巻」(1035話/1月10日放送)ですね。

高橋幹子(以下、「高橋」) 当時、アシスタントプロデューサーを担当されていた山本さんという方から、「お年玉で何か面白いお話になりませんかね?」という提案をいただいたんです。お年玉で何を買ったら面白いかなと思って、「豪華なカニを買ったら面白いな」と思いついて(笑)。すぐにそれで行きましょうとなったんです。何がいいって、消えモノだから。『ちびまる子ちゃん』はずっと続いていく世界ですから、形になって残るものは避けたいということもありますし、まるちゃんならカニを買いそうだよな、と。

 ただ、初期の脚本は高木(淳)監督に「リアルじゃないですね」と言われてしまったんです、「カニって食べるときはもっと忙しいんです」と。たしかに、自分でカニを買って食べる機会なんてあまりありませんからね。それが悔しくて、一人でお店に食べにいったんです、5,000円ぐらいかけて(笑)。その経験を踏まえて脚本を書いたら、「リアルになりましたね」「カニ食べに行きましたから!」とやり取りをしたことが印象的な1本です。

1611_maruko07.jpg「『スランプ藤木のスケート対決』の巻」より(C)S.P/N.A

―― 次は「『スランプ藤木のスケート対決』の巻」(1041話/2月21日放送)。

高橋 スランプからどうやったら立ち直れるのか、それをテーマに書いてみたかったんです。シーズン中でしたから、羽生結弦選手のようなキャラを出してみたいなぁと(笑)。

 それと8年前、脚本家になってからずっとスポーツ選手の記事を切り抜いてるんです。脚本家も才能の世界ですから浮き沈みがある。スポーツ選手と似ているなぁと思い、どうやって彼らがスランプから立ち直るのかをずっと追っていまして。スポーツに詳しいわけではないんですが、沈んだ時、それを励みにしているんです。高橋大輔選手や羽生選手の前向きなコメントやインタビュー記事を大切に持っています。そういうのもあって、何か得意なことがある人がスランプになったらどうするのか、というのは挑戦してみたいテーマでもあったので、藤木で書いてみたというわけです。

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