「“Anime”と言うと限定されたものになる」 山村浩二のアニメーションに対する思いとは?【後編】

 以前『つみきのいえ』でアカデミー賞を受賞した加藤久仁生監督にインタビュー(記事参照)した際、会場へはプリウスで向かったと話していた。もちろん山村監督が出ていた当時の「情熱大陸」を見ていたことからの発言である(加藤監督は受賞時に取材ナシ)。

yamamura2-02.jpg「情熱大陸」公式サイトより。

山村「リムジンに乗ったのも番組のお陰です(笑)。招待状にはセレモニーの時間とコダック・シアターの場所が書いてあるだけで、交通費も宿泊費も出ませんから自分で手配しなくてはいけません。セレモニーの3週間前にはノミネーターランチがあるんですが、滞在費のことを考えてそれはパスしました。

 滞在中には、ロン・ダイアモンドさんが短編の入選者たちの世話をされていて、アメリカの大手スタジオ訪問もあります。僕が行った時はディズニー、ルーカス・スタジオのILM、ドリームワークス、ソニーエンターテインメントで、他の入選者と舞台挨拶をしてノミネート作品の上映をしました。スタジオの上層部の人からアニメーターまでが参加して、一緒にランチを食べたりスタジオの見学をしました。大手スタジオの制作体制を垣間見ることができました。

 ドリームワークスの食堂は、24時間フレンチからイタリアンなど何を食べてもよくて、日本とは大違いだなと。福利厚生が行き届いてるのには驚きました。ピクサーになると庭にサッカー場があったり、25mプールが小さく見えるくらいの敷地の広さです。ILMは移転前だったんですが、とても手作りな印象で日本映画の制作現場と近い感じがしました。『スター・ウォーズ』のヨーダのアニメーターとも話をして、当時の古いパソコンを使ってライトセーバーで戦うシーンの演技をしてるビデオを見ながら『僕たちにはいいパソコンを配給してくれなくてね』とか言っていました。

 ディズニーでは門外不出の地下の倉庫にも入れて、『白雪姫』や『ピノキオ』の生スケッチなどを見ることができて刺激的でした。現場ではアニメーターが一番偉くて、『美女と野獣』のアニメーターの部屋に話しに行きました。でっかい倉庫で『ラプンツェル』の企画をやってたフロアがあって、その上にトップアニメーターは個室が与えられてるんです。その人は『頭山』を見てくれてたようで、『オスカー像を持って無事にロスを出られると思うなよ』とか冗談めかして言われました」

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