原作の設定を現代に持ってくると、扱うネタも昨今のものに合わせないといけない。それがミスマッチになったり無理やりになってしまうリスクはもちろんあるだろう。今回扱ったのはゼタ・ムービーのゼタムーバーと呼ばれる動画を撮り・自ら編集してアップするユーチューバーのような存在だ。
現代の若者であるはずのマコトも、まだこの動画配信でお金が稼げるという仕組みにぴんと来ていないらしい。だが、現代ではなりたい職業ランクのトップにあがる職業だ。
タカシに頼まれ、有名ゼタムーバーの140☆流星から護衛を依頼されたことで、とりあえず本人にあってみることになったマコト。玉ねぎの一気食いや、階段落ちなど何が面白いのかわからないノリと勢いに任せたような動画ばかりアップしている男だが、登録者数は120万ほどいる立派な人気ゼタムーバーだ。彼の自宅兼スタジオには2名のスタッフと共に運営しているという。
彼がG-Boysに護衛を依頼したのは、迷惑系ユーチューバーのようなガチの犯罪のようにも見える暴力的な動画をあげて人気を博している戸田橋デストロイヤーZというゼタムーバーチームから、動画をディスられたことから互いの動画内容をディスりあうようになり、どんどんその内容が激化していっているという。
さらに流星は間もなくゼタムーバー5周年を記念する動画をアップする予定を立てているが、確実に彼らが邪魔してくるとあり、それを阻止するためにもG-Boysの力を借りたいというのだ。
ゼタムーバーに対して知識も理解もなかったマコトだったが、流星がくだらない動画であってもそれに対して真摯に活動していると感じたことから、この依頼を受けることを決め、タカシにも協力してもらう約束を取り付けた。
流星の近くで彼を守るのはマコトがやるようだが、依頼された護衛についての料金のやりとりはタカシが受け持つらしい。基本的にはマコトはボランティアで参加しているという。実家の青果店の仕事もしつつほぼ1日護衛としてたつならもらっておいた方がいいと思うのだが、このあたりの形態は謎である。
早速流星の家の周りにデストロイヤーの仲間と思しきものたちが張り始めたという情報がタカシから届く。それを聞いた流星は動画にその様子を収めようとするが、それでは相手側に警戒がバレてしまう、とマコトが窘める。ゼタムーバーたるもの、ネタになりそうなものはすべてアップしたいという気持ちがあるようだが、依頼した手前、真たちのいうことを無視することもできない。
流星のスタジオには2名のスタッフが彼の動画配信を手伝っていた。ゴング斎藤は元々格闘技をやっていたということから、肉体的なアイデアだしを行い、チードル横井は地下アイドルに詳しいことからダンスや歌の企画を担当しているという。
マコトは流星がトイレに行っている間に、この二人のスタッフからも色々話を聞いてみようと探りを入れる。
流星に限ったことではないが、たまねぎ一気食いはともかく、階段落ちのような危険な動画は規制がどんどん厳しくなっていっており、報酬が下がっていっていることを懸念しているようだ。無茶をすればよかった時代ではないことを、関わっているスタッフたちも肌で感じているようだ。
周りを張られていた流星宅だったがG-Boysがその護衛に現れたことがどこからかバレたのか、デストロイヤー一味と思しきやつらににげられてしまったという知らせが入る。さらに逃亡するさいにG-Boysのメンバーが負傷したということでタカシがかなり怒っているらしい。
マコトは逃げられたことを流星に謝り、かつ自分が必ず流星を守ってやると力強く彼に伝えるが、どこか目を泳がせているような態度をとる。
さらに彼の愛車がボコボコにされるなど被害が立て続けに起きたことで、マコトはどこか違和感を覚える。
愛車をボコボコにした件について、あからさまに名前は出さないものの、自分たちがやったと取られるような発言をして動画を上げたデストロイヤー。双方の対立が話題を呼び、どちらも動画を上げれば再生数はうなぎのぼりの状態だ。被害は有れど、金は入ってくる。なんだか不思議な状況だ。
マコトはスタッフの一人、ゴング斎藤の様子がおかしいことに気付き、彼を西口公園に呼び出し話を聞くことに。すると彼は、突然流星からリストラを言い渡されたと答える。どうやら動画の報酬が下がったことに影響しての経費削減という事らしい。
だが、納得できない様子のゴング斎藤。彼はマコトに、流星とデストロイヤーの動画でのやり取りは全てプロレスであることを白状する。護衛がいることは流星がデストロイヤーに教え、炎上商法で稼ごうとしているのだ。
斎藤は、自分が経費削減でクビにされるのにあいつらに払う金はあるのか、と不満が爆発。マコトに話すことを決めたそうだ。
それを聞いたらマコトもそのままにはしておけない。G-Boys側には負傷者もでてしまっているのだ。流星に事実確認をすると、思ったよりも潔く彼はプロレスであったことを認める。だが、彼には負傷者を出す事態は望んでいたわけではないらしい。そうはいっても、タカシを怒らせてしまったことは事実。このままでは済まない、と釘をさし、マコトは流星の側から離れていった。
だが、彼のもう一人のスタッフ横井はマコトに頭を下げ、五周年の記念動画を流星が撮影を強行しようとしていること、デストロイヤーたちと報酬のことでもめていることなどを告げ、彼を助けてあげてほしいと頼み込む。その時は返事を濁したマコトだったが、なんだかんだ優しいのか、当日ちゃんと撮影現場に出向こうとする流星の前に現れてくれた。
芸術劇場のエスカレーターから階段落ちする動画を撮ろうと、上に登る流星のもとにデストロイヤーたちが現れた。大きなハンマーをもって襲い掛かるが、彼らに反撃したのはマコトではなく、タカシと彼率いるG-Boysたちだった。
仲間が怪我を負ったということで、デストロイヤーと流星双方に怒っているタカシは問答無用でボコボコにしてやろうとしている様子だったが、さすがにそれはマコトが止め、流星も彼に土下座をすることで、場を収めることができた。
最終的には流星も階段動画を撮り切り、キチンと骨折をしてそこでまたそれをネタに動画を撮るという流れを作ることができたようだ。
G-Boys側とは正規の護衛代金を支払い、さらに流星のスタジオを自由に使える権利をもらうという事で話がついたようだ。デストロイヤーとはどうなったのかは触れられていないが、双方で信頼関係を損ねたのだからそこで関係は終わったのだろうか?
池袋に起きる大小様々な事件に首を突っ込んでいく、というのが作風なのだろうが、ドラマのキャラクターの強さで内容が記憶になかった分、こういうオリジナル要素が強い話は面白い。けれど、別にG-Boysとかいなくてもよく感じてしまうので、この作品でしかできないエピソードがもっと欲しいようにも感じられた。
TVアニメ『池袋ウエストゲートパーク』時代背景を現代に合わせた弊害か?第3話のページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、IWGPの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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