TVアニメ「グレイプニル」過去最強にやばい敵が現れる！？第10話

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　かなりやばい敵にばかり遭遇している修一たちだが、今回の敵は各段にやばい。小柳たちチームの中で断トツな戦闘能力を持つ陽太があっという間に倒されたことからもやばさがうかがえる。

　そんなヤバイ敵、円は変身した際にクレアが中に入っていくのを目撃したことから修一たちに興味をもち近寄ってくる。どうなっているのか見せてみろ、と彼の顔を掴んで今にもその首をもぎそうな勢いだ。だがそれくらい至近距離ならば攻撃を当てれば致命傷を与えられる、と目論見、彼に拳銃を突きつけ発砲した。

　だが、どういう原理かその攻撃は見事に避けられ、拳銃は奪い取られてしまう。奪い取った拳銃をそのまま吉岡に向ける円。このままでは撃たれてしまう、と苦肉の判断で変身をとき拳銃を使えなくする。変身を解くとまさか銃まで溶けてしまうとは知らなかった。

　しかし変身を解くという事は素顔がバレてしまうということでもある。仲間を殺さないためとはいえ中々に厳しい状況に追い込まれてしまう。どうにかして戦いを避けたい小柳チーム。円はそんな修一たちに向かい、今後コインを自分のために集めろと命令をしてくる。彼らのチームは円のためにコインを集め、円が強大な力をもったアカツキには仲間たちの願いを円が叶える、という約束で結束しているようだ。さらにはこの円がなぜか仲間たちからの信頼が厚いことも、このチームの強さの秘訣のようだ。

　彼は義理人情に厚いようで、修一たちを自分のチームに引き入れるにしても自分の仲間を一人倒した代償として小柳チームのメンバー一人の命と引き換えにすることを求めた。　クレアを覗くメンバーを自分たちで選び差し出すことを言い残し、時間を与えると一度離れる円たち。

　しかし仲間を大事にしているのは小柳チームだって同じだ。誰かを差し出す、などということではなくどうしたらあいつらから逃げきれるのか、という話し合いが行われた。誰かを犠牲にするか、全滅するか。そう考えると誰か一人を差し出した方が被害は少ないかもしれない。でもその誰かを選ぶことは容易ではない。

　だが池内は誰かをいけにえにするべきだ、とメンバー内でも強く提示するがそれが即ち自分がいけにえにされるかもしれない、という可能性を考えておらずまた悩み始める。透明になる能力を持っている相原は自分が透明になってボスを殺すスキに逃げろというが、透明化を見抜く力を持つものがいるかもしれない、と小柳から許しが出ない。

　クレアは一人塞ぎこんでいた、植物を操る春日の元にいき、とある植物を大量に成長させてほしいと頼み込む。クレアが用意した作戦を使えば、小柳チームの仲間たちを無事に逃がすことができるから、と。

　修一はクレアの作戦内容を知らずとも、クレアが考えた作戦ならば実行する際には一緒にいると強く志願する。今までクレアに押されっぱなしだった修一が自らクレアと肩を並べようとしたのだ。　クレアも涙を流しながら、修一の申し出を受けたのだった。

　池内はクレアが考えた作戦を先に悟り、なぜかこのままだと自分たちの身も危ないと円たちの元に勝手に趣き自分と吉岡だけを仲間に加えてもらえないか、と直談判を行う。不審に思って理由を問いただした際に、池内は仲間の秘密についてしゃべろうとしてしまい、小柳の契約に違反したことから能力が発動し死亡してしまう。池内のこの行動はただの無駄死となってしまい、残念である。

　だが円チームが池内に気を取られている間にクレアの策が発動する。春日に大量に成長させた植物は夾竹桃。この花は一般的にも身の回りに生えているものだが、この花は毒を持っており、それは燃やしたケムリにまでも現れるという。クレアは大量に咲かせた花を燃やし、毒ガスを発生させたのだ。

　その毒性を使って、身動きが出来なくなった円チームを振り切ろうという作戦だ。クレアの読み通り、敵は炎と毒ガスにあたり、身動きが取れない。だが、動けなくなった仲間を捨ててこちらを追いかけてくる可能性もあり得た。

　だが、円は決して仲間を見捨てない。そう読んでいたクレアの勝ちだった。円は元々信じられる仲間もいないさみしい人生を送っていた。だが、コインのおかげで大切な仲間を得ることができたのだ。　どんな悪役にも物語は存在する。ヤバイ敵だったはずだが、最後は敵ながらあっぱれな親分気質を見せてくれた。

　まもなく最終回を迎えるが、修一の過去などまだまだ明かされていないエピソードが多すぎる。今回の円たちも強敵ではあったもののこんなにあっさり退場だと今後につながらないのかと残念にも思う。一体どんなまとめ方になるのか。
(文=三澤凛）