TVアニメ「グレイプニル」修一が人を殺す…？第7話

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　契約が結ばれ、正式に小柳達グループの一員となったクレア。契約を結ぶ前に約束していた姉の話は、彼女の予想とは少し違ったもの。

　小柳はかつてエレナと同じクラスで友人関係にあったという。恋仲だった先生の死と友人の裏切りのせいで人間不信に陥って転校した先で出会ったエレナは小柳に優しく接してくれた数少ない人間であり、心を許せる存在だったようだ。だからこそ、クレアがいう両親を殺したり自分たちに襲い掛かってきたという人物像と結びつかないという。果たして、エレナの本性はどちらにあるのか？

　話を終えて仲間たちが集まっている場所に戻ると修一の姿が見えないことに気付く。聞くと、吉岡と小一時間前に外に出ていったきり戻ってきていないという。池内の録画で二人の状況を把握したクレアは二人を探しに外に行こうとする。

　小柳はクレアが一人で外にいるのは危険と、このグループの中で一番戦闘能力の高いものを護衛に着けるといってくれる。それが、最初から顔もオープンにしていた陽太だった。皆が真夏の盛りで薄着でいるのに真っ黒なスーツを着ているイケメン陽太は、クレアと修一たちを探しに出てもチャラチャラとクレアを口説くことに夢中な男で、こいつが一番戦闘力が高いとは思えない。だがメンバー内では自他共に認められている実力があるようだ。彼の能力とは一体？

　一方件の修一たちは、財布を探してあたりをさまよっていたがまだ見つけることができないでいた。臭いをたどっているうちに、エレナの匂いを感じ取ってしまう。圧倒的な強者であり対峙したら太刀打ちができないと本能的に感じられる強さ。しかもそれが複数いることもかぎ取ってしまう。

　しかもその匂いの元には吉岡の財布の匂いも交じっており財布をそいつらに拾われた可能性をも示唆している。身元が割れてしまうものが財布内に入っているためにそのまま放置するわけにはいかない、と修一は少しずつ近づいてみることを決意。

　吉岡も修一の中にいることで相手の匂いを感じ取り、圧倒的な強さを持つ敵が存在することを体で感じとるが、そういったものに会った場合どうすればいいのか、また修一はどうしてきたのかを問いかける。　

　修一は、過去彼らの元に現れた女性のことを語りだす。そしてその女性を最終的に殺してしまったことも。手を下したのは修一ではなくエレナだが修一は彼女を止めることをしなかった自分も同罪であると考えていた。

　修一が人を殺してしまったという事実に衝撃が隠せない吉岡だったが、その衝撃を処理する間もなく、二人は財布を拾ったスバルに背後を取られてしまう。

　スバルはエレナたちとの会話のせいで機嫌を損ねていたためか、修一たちを見つけると即座に気に入らないと攻撃を仕掛けてくる。男女の体がくっついてしまっているような大きな化け物が彼の後ろに現れ、かなり強力な腕力で修一たちをいとも簡単に握りつぶしてしまう。あっという間に修一と中にいた吉岡は見るも無残な姿に。

　だが、潰されてしまったことでなぜか二人はお互いの人となりを知り、お互いがまるでゴミのように軽く潰されたことに対して激しい怒りを覚える。その怒りに任せるかのように体が勝手に動き出し反撃を始める。
　
　その姿は今までの着ぐるみの形ではなく、吉岡の姿が元になった犬耳をつけたスマートな姿。だが内面は修一と吉岡どちらもが混在している形の様子。二人は怒りを全面に押し出し、先ほどまで圧倒されていたスバルの力をもはねのけるように攻撃をしかけスバルを追い詰める。だが、いざスバル本人に拳があたりそうになったその時、エレナが駆けつけ二人の間に入り攻撃を止めてしまう。

　エレナの姿を見た瞬間、修一の脳裏にはエレナは自分の体を、クレアの運命を変えた憎い存在として認識された。だが、吉岡の脳裏には、エレナは修一と仲が良く面識のある様子が映される。この二つの記憶の齟齬はいったいなんなのか。吉岡の意識が、修一がエレナを攻撃しようとするのを止めたことで二人は倒れ、スバルとエレナはその場を離れてしまった。

　クレアたちが発見したのは倒れた着ぐるみの修一たち。果たして二人は無事なのだろうか。そして修一とエレナの間には一体何があったのか。次週を心して待ちたい。
（文=三澤凛）