「『実写でやればいいじゃん!』と言われたい」!? 今期“最ムズキュン”アニメ『月がきれい』南健PDインタビュー

 魔法なし、SFなし、ハーレム展開も無敵の主人公もなし!
 埼玉県川越市を舞台に、文学好きな男子中学生と陸上部の女子中学生の等身大な恋愛を描くオリジナルTVアニメ『月がきれい』(TOKYO MXほか)。

 美しい作画と丁寧な演出、そして全編に仕込まれた「中学生あるある」が視聴者のハートをくすぐり、地味ながらも今クールの隠れた注目作になりつつある。

 仕掛け人はフライングドッグの南健プロデューサー。なぜこのような作品を世に送り出したのか? 『天体戦士サンレッド』、『蒼き鋼のアルペジオ ‐アルス・ノヴァ‐』シリーズでタッグを組んできた岸誠二監督らとともに、どのようにこの作品を作り上げていったのか? じっくり伺ってまいりました。

1704_sora.jpg(C)2017「月がきれい」製作委員会

■『月がきれい』はアニメの前提知識がいらないアニメ

―― 『月がきれい』を夜中に一人で見ていると、「ああああ」と変な声を出しつつ、電灯の紐にパンチしたくなる衝動に駆られています(笑)。

南健プロデューサー(以下、「南」) 視聴者の皆さんを居心地悪くさせるために、このアニメを作っていますからね(笑)。「なんで今、俺が住んでいるマンションは照明に紐がついていないんだ!」と思わせるのが狙いです。

―― 第1話が放映された後の反響はいかがでしたか?

 「むずがゆい」「もどかしい」という声が多かったですね。「刺さって痛い」「見ているのが辛い」という声もいただきました(笑)。「微笑ましい」という方もいれば、「こんなの見ていられるか!」という方もいる。皆さんのコンディション次第で感想が変わりやすいアニメかもしれないですね。

―― 『月がきれい』のような中学生同士のピュアな恋愛アニメというのは、非常に珍しいと思います。どのような経緯で制作されたのでしょう?

 企画を監督に持ちかけたのは2014年の9月頃です。当時、岸(誠二)監督と『蒼き鋼のアルペジオ ‐アルス・ノヴァ‐』という作品の劇場版を作っていましたが、それ以前から「アニメが得意としている要素をなるべく排除した、リアルな人間のドラマ」を描くアニメをやりたいと考えていました。

 ただ、女性向けの恋愛小説やマンガ、TVドラマとか映画でよくあるような、死人が出たり、奇跡が起こったりするのは、ちょっとご都合主義に見えて好みじゃないんですよ。もちろんフィクションなのでご都合からは逃れられないんですが、もっと普通の、どこにでもある要素から成り立っている恋愛ものをやりたかった。過剰にドラマティックな要素がなくても、作品として、商品として成立することができるんじゃないかと考えていたんです。

 そんなことを考えていたとき、『たまこラブストーリー』(14年)という映画を観たら、TVシリーズと違って「しゃべる鳥」が出てこなかった!(笑) すごくピュアなラブストーリーをものすごい力技で作っていた映画で、すごく良かったんです。この作品が背中を押してくれましたね。

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