【ヅカヲタ女医の「アモーレ!宝塚ソング」第9回】

龍真咲さま、そして鳳蘭さまの歌う「スキャット」に人間を超越した“エネルギーそのもの”の偉大さを学ぶ

――宝塚ヲタの女医、wojo(ヲジョ)が宝塚の名曲を皆様にご紹介! ヅカヲタ女医の「アモーレ!宝塚ソング」!!

1611_duka_1101_01.jpg2015年9月『Dragon night!!』シアター・ドラマシティ公演のポスター。

【第9回】
ショー『マイ・ハイ・スイング』プロローグより「スキャット」

1975年、第三回ヨーロッパ公演の試作として制作された鳳蘭主演のショーの、プロローグで歌われた迫力ある一曲。同ショーは約10年間トップスターを務めた鳳蘭の、トップとしてちょうど5年目での公演。伝説の奇才・鴨川清作氏による作・演出で、サブテーマは「鳳蘭のワンマンスタイル」。順みつき、浦路夏子、衣通月子らが脇を支えた。

 宝塚ファンの女医、wojoです。先日、宝塚歌劇を観劇中についつい集中しすぎてしまい、鼻水が喉から気管のほうに垂れ込んだことに気が付くのが遅れ、うっかり誤嚥してしまいました。静かな場面でむせこみを我慢する辛さ、思い出しても息が苦しくなります。一般的に誤嚥は飲み込む力が弱ったお年を召した方にこそ起こりやすいもの、と思っておりましたが、意外と簡単に起きてしまうものなんだ、アラフォーにもなれば……とわが身をもって知った次第です。

 さて、バイト先の病院でのとある当直中にたまたま見ていた深夜テレビ番組で知ったことなのですが、「ビートボックス」なるものがここ数年来流行っているようですね。歌声のみでさまざまな楽器や機械音を奏でてしまうという、一種の神業です。一時代前の「ボイス・パーカッション」と同義、とも。普段、宝塚の情報しか積極的には得ていないwojoにとっては、大変新鮮でありました。口でパーカッションの音を出せるなんて、人間ってすごい! 無限の可能性がある! と静かに興奮したわけです。

 しかし、ん? 声で、人間の力の無限の可能性を実感させられたことって、そういえば宝塚でもあった気が……と、ふと思い出しました。2016年9月4日付で退団された元月組トップスター、龍真咲さま。その龍さまが2011年に行ったディナーショー「Hot fairy」でwojo、初めて耳にいたしました「スキャット」という曲です。

 曲は文字通りスキャットです。シャバダバダ……デュワ! という、文字にするのが難しい歌詞なのですが、何度も繰り返されるクレッシェンドの波が心を揺さぶり、とにかくド迫力な一曲なのです。龍さまは宝塚の中でもピカイチにお歌が上手なスターさんでしたし、さらに熱いお歌がとてもお上手な方。こんな曲、迫力と歌唱力、スター性がないと絶対に歌いこなせない! なんて龍さまにぴったりなお歌! と感動しながら観ていた記憶があります。なんと申しますか、男役の神髄ここにあり、といったところです。気づいたら心をわしづかみにされ、もてあそばれてしまう、そのもてあそばれ方が心地いい……という、私の中に潜むMっ気にも気づかされてしまう、そんな一曲でした。

 そもそもこの「スキャット」は、70年代の伝説のトップスター鳳蘭さまの持ち歌。1975年の『マイ・ハイ・スイング』というショーのプロローグで歌われたそうです(wojoはまだギリギリ生まれておらず、残念ながら未見です)。この「マイ・ハイ・スイング」は当時のソ連、そしてフランスのパリにて行われた第3回ヨーロッパ公演の試作として制作されたもので、「スキャット」も、その際の上演演目「ビート・オン・タカラヅカ」において歌われたとか。

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