ヅカヲタ女医の「アモーレ!宝塚ソング」第7回

真琴つばささま&檀れいさまが歌う「うたかたの恋」に 母性本能をくすぐる男性の“弱さ”を学ぶ

1510_takaraduka.jpg1993年の星組東京宝塚劇場公演『うたかたの恋・パパラギ~極彩色のアリア~』のパンフレット。このときのルドルフ役は紫苑ゆうであった。

――宝塚ヲタの女医、wojo(ヲジョ)が宝塚の名曲を皆様にご紹介! ヅカヲタ女医の「アモーレ!宝塚ソング」!!

【第7回】
ミュージカル『うたかたの恋』から「うたかたの恋」

1983年、当時の雪組によって演じられた、柴田侑宏の脚本によるミュージカル作品『うたかたの恋』で歌われる同名楽曲。同作は、19世紀末のオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフと男爵令嬢マリー・ヴェッツェラとの結ばれない愛を描く。初演時には、ルドルフを麻実れいが、マリー・ヴェッツェラを遥くららが演じた。

 宝塚ヲタの女医、wojoです。最近、同僚の男性医師が婚活を真剣に頑張るというので、何か力になれないかと思い『はじめての男の婚活マニュアル』(秀和システム)なる本を購入してみました。そこには、女子に気に入られるためのさまざまなテクニックが満載で、「そうそう! それは女子と会う時、絶対大事!」と激しく共感できる内容(自慢話をしない、くちゃくちゃ音を立てて食べ物を食べない、等)から、「いやー、そこまで気にしなくてもいいんじゃないか……」と思う内容(女性と待ち合わせる際にそわそわ待ってはいけない、女性と一緒にいるときに飲み物を一気飲みしない、等)まで、多種多様な方策が掲載されていました。

 しかし読み終えて、「何か大事なものが抜けている……」とモヤモヤが残ったのもまた事実です。もしwojoがこのマニュアル通りの完璧な男性と出会ったとして、惹かれるか? おそらく難しいでしょう。それはなぜか? 人間くささがまったく感じられないからである!……と、『マニュアル』を読み終えた夜中に一人息巻いておりました。わたくしwojoは「だめんず好き」の烙印を押されて久しいので、wojoの趣味嗜好は主流派ではないとは思うのですが、それでも世の女性(の少なくとも一部)は、不完全でちょっと弱い面を持つ男性を好むと思われます。

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 そして、究極的に儚くて弱くて魅力的な男性……やはりその方は、宝塚におられました。ミュージカル『うたかたの恋』に出てくるルドルフです。『うたかたの恋』は、2015年上半期に話題となったミュージカル『エリザベート』にも登場する皇太子ルドルフが主役のミュージカルで、フランスの作家クロード・アネの小説『うたかたの恋』が原作。1983年に、当時の雪組の麻実れい様・遥くらら様で初演、その後1993年に星組の紫苑ゆう様・白城あやか様で再演、その後も月組の真琴つばさ様・檀れい様、そして宙組・花組・宙組……と、再演を繰り返している人気の作品です。つまり、宝塚で『エリザベート』が初演される10年以上前、すでに『うたかたの恋』は初演されており、古参の宝塚ファンにとっては、「ハプスブルク家を題材にしたミュージカル」といえば『エリザベート』よりも『うたかたの恋』のほうお馴染みであったともいえましょう。巷で話題だったミュージカル『エリザベート』に出てくるルドルフも大変魅力的で、黄泉の帝王・トート閣下とのデュエットも確かに色気たっぷりで見せ場のひとつでありますが、この『うたかたの恋』の主人公としてのルドルフはより一層人間くさく、そして宝塚の正統派二枚目の王道をいくキャラクターとして描かれているのであります。

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