「音楽はまたやりたいと思っていたんです」『ハルチカ』橋本昌和監督インタビュー<後編>【16年1月新作・監督インタビュー】

1512_haruchika06.jpg作中の演奏はリアル高校生が奏でた音源を使用

■また音楽ものをやりたいという気持ちはありました
―― アニメ化に際して初野先生は、「文章では表現できなかったことを、アニメに託したい」とコメントされていました。それはきっとハルタとチカの表情であったり、楽器演奏シーンや音楽なんだろうと思います。
橋本 そうですね、はい。
―― さらに、アニメファン的には橋本監督ということで「あ、『TARI TARI』の人だ!」と、音楽に期待してしまう部分がかなりあると思いますが。
橋本 (笑)。僕自身「音楽をまたやりたいな」というのはありましたし、演奏シーンはぜひ見せていきたいです。加えて、先生が「“吹奏楽部”要素をあまり入れられなかったな」ということをおっしゃっていたので、そこはできるだけ盛り込んでいきたいですね。今回は音楽を浜口(史郎)さんにお願いできました。非常に信頼できるし、いろいろ相談しやすい方なので、音楽的な仕掛けもいろいろ考えています。吹奏楽部員の練習中のちょっとした音を拾ったりなど、効果さんも巻き込んで、何度も収録をし直して調整しています。
―― 高校生の“吹奏楽部”らしさを出すための演出ですね。
橋本 そうですね。さらに作中の演奏は、実際に高校の吹奏楽部の方たちに演奏してもらったものを収録しているんですよ。“吹奏楽部”らしさが出ていると思いますし、何回かに分けて収録していると、どんどんうまくなっていくのがわかるし、聴いているこっちがOKと思っても、「もう一回やらせてください!」とお願いされたり、現役の吹奏楽部員たちはすごく熱いんです。コンクールにも何度か取材に行きましたが、ミスをしちゃって演奏後に泣いている生徒さんがいたりして……そういった熱い思いは、作品にフィードバックさせてもらっています。演奏シーンを描いていても、「これでは熱さが足りないよな」と盛り上がりや熱を加えたりといったことがちょくちょくあります。
―― そうなるとやはり気になるのが、楽器は描くのが大変……。
橋本 (間髪入れず)いや、大変です(笑)。楽器ってとても細かいメカなんだなぁと実感する毎日です。本当、楽器を持って振り向かせるだけで、ああ、大変だなと……。ただ、今回は楽器作画監督に杉光(登)さんに入っていただきました。杉光さんは劇場版の『レイトン教授と永遠の歌姫』(2009年)の時も総作画監督でお世話になったんですが、すごく信頼できる方なので、そこは安心しています。
―― 楽器は手描きですか、3Dですか?
橋本 両方ですね、ケースバイケースで使い分けています。あと、吹奏楽経験者って意外と身近に多いんですよ。作画をはじめ、各セクションに吹奏楽経験者がいる。「『ハルチカ』、待っていたんですよ」とかよく言われるので、いろいろと頼もしいし、その分、嘘がつけないなとも思います。

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