「音楽はまたやりたいと思っていたんです」『ハルチカ』橋本昌和監督インタビュー<後編>【16年1月新作・監督インタビュー】

■大事にしたい“日常感”、多様なキャラと風景にも注目
―― 楽器以外で、「ここ、大変だったな」というところはありますか?
橋本 ダントツで楽器が大変なんですけど(笑)、それ以外だとメンバーが多いところでしょうか。吹奏楽部としては小規模といっても、20人以上になるわけです。アニメでは“描いていないけど、いますよ”という手法も取れますけど、そうすると雑多な“部活”の感じが出なくなってしまうので、できるだけいろんな部員を描きたいなと思っているんです。そうすると、多いなこれは、と(笑)。
―― チカちゃんは部員が少ないと悩んでいるけど(笑)。
橋本 少ない少ないと言っているんだけど、描いているほうとしては、結構いますよと言いたい(笑)。全員、デザインを起こして名前をつけて、間違いのないように整理しています。
―― 当初5人だったところから段階を踏んで、増えていくわけですものね。
橋本 だからこの子は1年生、この子は2年生としっかり整理して作っています。デザインを見て、“この子は頼もしそうだから吹奏楽経験者”“この子はマレン目当てで入部したちょっとミーハーな子”とデザインから想像しながらお話に合わせて順番に入部させています(笑)。
―― 推理、楽器演奏と並んで、高校生の部活もの、という一面も原作の大きな要素のひとつですから、そのへんの描き分けも非常に楽しみです。
橋本 ただ、『TARI TARI』ほどの“部活感”というのは出しにくいなと思っているんです。『TARI TARI』は5人だけでしたが、『ハルチカ』は謎解きの要素も大きく、事件によっては外部の人も出てきますし、校外に出ることも多いですし。
―― 学校でも、生徒会やブラックリスト十傑の連中もいますし。
橋本 部活の中だけで事件が解決するわけでなく、事件は吹奏楽部とその外とで展開していく。逆に部活の中だけでのやりとりが意外と描けなくて、そこが苦しいところだったりもしますが、“日常感”みたいな面はできるだけ出していきたいと思っています。
―― 日常というと、原作でもわりとはっきり“静岡県清水”と地名が出ています。聖地というか、風景描写も期待する人は多そうです。
橋本 そうですね、清水南高校という初野先生の母校が実名で登場しています。これは「そのまま名前を使用してもいいですよ」と許可をいただいたんです。学校のデザインなどは物語に合わせて一からデザインを起こしましたし、学校の場所も本来は住宅街にあるんですけど、少し郊外にデザインしました。清水へ何度もロケハンに行って感じた、穏やかで素敵な雰囲気を、作品の中で少しでも感じていただければいいなと思います。

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