「音楽はまたやりたいと思っていたんです」『ハルチカ』橋本昌和監督インタビュー<後編>【16年1月新作・監督インタビュー】

1512_haruchikakey.jpg(C) 2016 初野晴/KADOKAWA/ハルチカ製作委員会

 2016年1月に放送を開始する新作アニメ作品の中から、選りすぐりの注目作の見どころを、クリエーターへのロングインタビューとともにご紹介!

初野晴による推理小説を原作とするアニメ『ハルチカ〜ハルタとチカは青春する〜』(以下、『ハルチカ』)のキャラクターたちについて『TARI TARI』でも知られる橋本昌和監督に主に語っていただいたが、後編では注目の楽器演奏シーン、音楽などについて話してもらった。

1512_haruchika05.jpg左、朝比奈香恵 右、朝比奈紗恵

■名前がなかった、あの子たちにも注目!?
―― シナリオや絵コンテを拝見すると、チカの一人称である原作では少なかった、部員同士の掛け合いなど、日常シーンが増えているなと感じたのですが。
橋本 そうですね、強化しています。事件が発生して解決までを描いて、キャラクターたちの物語があって……と、短編である原作では難しい部分だったと思うので、ちょっとしたプラスアルファ、日常の間合いや掛け合いは、余裕がある限り、できるだけ入れていきたいと思っています。尺は厳しいので、なかなか難しいんですけど(笑)、キャラクター性につながってくる部分ですし、原作小説の中では会話していないキャラ同士の会話によって「ああ、部内の雰囲気はこういう感じなんだな」と見えてくると思いますから。吹奏楽部は当初5人しかいなかったという設定ですよね。チカちゃん、ハルタ、片桐部長の3人を除く残り2人にも、デザインを起こして、朝比奈香恵、朝比奈紗恵と名前をつけました。最初からいた大事な子たちですから、ちゃんと拾って、しっかり見せていこうと思っています。双子の姉妹にしたんですが、ちょっと不思議な雰囲気も出ていて。片桐を含めて3人だけの上級生です。彼ら彼女らに、ちょっと素敵なシーンが作れればいいなと思います。
―― 尺についてのお話が出ましたが、原作はミステリです。シナリオには、ご苦労があったんだろうなと思うのですが。
橋本 謎を解いていくためには、最低限残さなくてはいけない部分、これはやらなきゃというところと、日常感を出すために必要な部分、両方を収めなくてはいけない。『ハルチカ』は吹奏楽で青春でミステリなので(笑)。謎を解くだけのお話ではなく、事件が解決した後の吹奏楽部の行方や生徒たちの気持ちの変化もありますから。吹奏楽や青春を描きすぎると、謎解き部分が薄くなってしまうし、謎解き部分を厚くやりすぎてしまうと、今度は青春の部分が手薄になってしまう。実際、バランスは難しいです……。
―― 説明セリフも、なかなかはしょれないですものね。
橋本 そこをどう見せていこうかと、試行錯誤しています。いつもコンテをちょっと長めに作って、編集段階でいろいろと考えて試しながら、ここはこの流れは少し切ってもいいかなと、細かく話の流れを詰めていくみたいなやり方をやらせてもらっているので、いつも編集時間が長めで大変なんです(笑)。
―― やべ、ここ切っちゃうと、推理不可能だ! みたいな。
橋本 逆にここを切っちゃうと気持ちが伝わらないだろう、残したい! みたいな(笑)。いつも時間をかけて、丁寧にやらせてもらっています。

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