謎解き、恋愛、吹奏楽、多様な要素をバランスよく、アニメならではの表現で『ハルチカ』橋本昌和監督インタビュー<前編>【16年1月新作・監督インタビュー】

1512_haruchikakey.jpg(C) 2016 初野晴/KADOKAWA/ハルチカ製作委員会

 2016年1月に放送を開始する新作アニメ作品の中から、選りすぐりの注目作の見どころを、クリエーターへのロングインタビューとともにご紹介!

『ハルチカ〜ハルタとチカは青春する〜(以下、『ハルチカ』)』は、初野晴による推理小説シリーズ(角川書店)が原作。学校内外で起こるさまざまな日常の謎を、吹奏楽部員のハルタとチカが解いていく推理ものであり、吹奏楽の甲子園“普門館”を目指す吹奏楽部員の青春ものであり、恋愛小説の一面も持ち合わせる人気シリーズだ。

 多様な要素と魅力を持つ『ハルチカ』TVアニメシリーズで監督を務めるのは、『映画クレヨンしんちゃん』や、人気アニメ『TARI TARI』でも知られる橋本昌和。

『TARI TARI』では合唱部と江の島を舞台に、瑞々しい青春×声楽ドラマを描いた橋本監督は、『ハルチカ』ではどんなドラマを見せてくれるのだろうか?

■原作に漂う“昭和っぽさ”を生かしつつ今風なデザインに
―― ありきたりな質問ですが、原作小説『ハルチカ』シリーズを読まれた印象から教えてください。
橋本 とても“要素”が多い小説だなと思いました。ミステリの中に個性的なキャラクターが何人もいて、謎が社会性のあるテーマを持っていたり、事件を解決して終わりではなく青春ものとしての人間関係もあって。短編ですけど、一本一本の密度がすごく濃くて、骨がある……骨はあるんですが、決して重くはない、不思議な読み口の小説だなと感じました。特に濃い個性を持った登場人物たちはアニメ向きで、そこは大きな見どころになるのではと思いました。
―― そのキャラクターたちを描くのが、なまにくATKさん(ニトロプラス/キャラクター原案)、西田さん(亜沙子/キャラクターデザイン)だったのが、少し意外でした。
橋本 キャラクター原案はKADOKAWAさんから先行して、なまにくATKさんにお願いして、ああいう形になりました。『ハルチカ』には少し“昭和っぽさ”がありますよねと、初野先生ともお話ししたことがあるんです。先生も執筆時に意識されていた部分のようで、僕自身も最初キャラたちの中に、“昭和っぽさ”を思い描いていました。ただ、デザインを昭和にすると“昭和っぽい雰囲気”ではなく“昭和”そのものになってしまいますから。デザインは10代20代の人が馴染みやすい、今風のものになっています。
―― 原案やキャラクターデザインの段階で、監督からご注文があったりとかは?
橋本 原案の段階ではハルタをもう少し柔らかくとか、草壁先生をあまりダークにしないで(笑)とか、微調整をお願いしました。草壁先生は最初もらったとき、今よりもう少し影のある感じだったんです。彼は内面にいろいろ抱えている人ですが、それを出しすぎるとハルタとチカと先生、3人の物語になってしまう。やっぱり物語としてハルチカの2人に絞った高校生たちの物語にしたいので、先生には一歩引いてもらい、影のある部分を抑え目にしてもらいました。

初恋ソムリエ アニメカバー版<「ハルチカ」アニメカバー版シリーズ> (角川文庫)

初恋ソムリエ アニメカバー版<「ハルチカ」アニメカバー版シリーズ> (角川文庫)

とっつきやすいので、ミステリはあんまり、という方にもオススメ

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