アニメ監督・りょーちも、今なお続くFlashへの誤解に困惑 「ちゃんと動いてるのをクライアントに理解させるのが難しい」【前編】

■『BECK』で原画に抜擢されるまで ゲーム会社への入社機会を得て関西から上京

1118_ryotimo4.jpg使用する液晶タブレットは「Cintiq Companion」。

 りょーちも監督は何を契機としてFlashを使うようになったのか。まずは『BECK』で原画に抜擢されるまでの、本格的にアニメ業界と接点ができるまでを聞いた。

りょーちも「高校は国際科で、英語と国語ばっかりなんですよ。点数が全然とれなくて、自分は理科をやりたいと。でも高2で理科が消えまして、相当ストレスがたまりました。5教科でも偏った文系ばかりになっちゃって……。卒業後に夜間の専修学校に行ったんですが、高卒の資格を持っていれば専門の学科だけ選べるので、そこで工業高校の内容の勉強をしました。製図関係からHTMLの勉強までやりまして、さらに昼間は細かな授業をやってるようだったので、脱線してマニアックな先生に『素粒子を教えて!』って入り浸る感じでした。

お絵描きのサイト作って描いた絵を置いてったら、そのうち依頼が来ました。『イラスト描いてくれませんか?』というのの延長で、ゲームのキャラクターデザインも来たんですが、どう描いたらいいかわからずに四苦八苦してるうちに企画自体が潰れたんです。フタを開けるとコンペ用で企画が不成立だから潰れたようなものなんですけど、『自分が早く出してないから潰れたんだ』と思って、東京まで謝りに行ったら普通に『仕事あるよ』って言われて入社することになったんです」

 りょーちも監督、思わぬ形で就職が決まり、上京することに。配属は新規事業部で、仕事内容は企画書などの作業の手伝いであった。

りょーちも「ちゃんとしたゲームを作ってたわけじゃないんですが、1年ぐらい細かい作業してました。新規事業部だったんで、プロジェクトを次々作っていく工程を見る機会に恵まれたことにもなります。実はその前に大阪のアニメ会社で動画を描く仕事をしてたんですが、描けなくて……。仕事にならないから辞めるしかない、アニメの仕事には入れないなと。

ゲームの方で技術ノウハウを学びながら、ソフトまではそんなに学んでないですけど、家で描いてたようなことを会社でやる感じでした。3DCGはやってないですね。3DCGのチームと2Dのチームが分かれてたので。キャラクターや背景からドット打ちもやりました。ドット打ちは面白かったですね。16×16のドットで色は8色しか使えない中で、組み合わせてブロック化して色を作るというのは鍛錬になりました。ドットの仕事ではないですが、大手だとサミーネットワークス(現:セガサミー)のもやってましたよ」

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