【実写映画レビュー】いやそんなに気を遣わなくても……優秀な“動画マン”に徹した!?『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

 対して今作『フォースの覚醒』は、「今あるものをキープしながら、その秩序を崩さないまま物量を増やす」に徹した映画である。スター・ウォーズ世界にたとえるなら「クローン兵」というやつだ。彼らは統制がとれていて基本的に優秀、行儀もよいが、個性もヒロイズムも剥奪されている。

 ただ、新三部作においては「ストームトルーパーの中身はすべてクローン」だったにもかかわらず、今作では「クローンではないストームトルーパーも存在する」ことになった。そう、ストームトルーパーの白いヘルメットを脱ぐ男、副主人公格のフィンである。彼はもともと個体識別番号で呼ばれるザコ兵だったが、劇中で「フィン」という名前を与えられ、個性を獲得した。

 というわけで、フィンのように動画マンの中にも原画を無視して個性的な絵を描き、ヒーローを気取ろうとする奴が出てくるかもしれない……などという淡い期待を胸に、2017年の続編『エピソード8』を楽しみにしたい。監督はJ.J.からライアン・ジョンソンにバトンタッチされるが、ほんと、そんなに気ぃ遣わなくていいから。ジャー・ジャーの子孫登場とか全然アリなんで。
文/稲田豊史

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