TVアニメ『アクダマドライブ』アクダマたちの活動に終止符が打たれた第12話

TVアニメ『アクダマドライブ』公式サイトより

 アクダマドライブ最終回。クリスマスイブに放送されるアニメが物騒すぎる。
 
 爆破されたシンカンセン。一般人は足を骨折し、さらに見張りが押しかけてきた。兄はもう逃げ場はないと途方に暮れる。

 一般人は、運び屋が落とした500イェンを突きつけ、受け取るようにという。落ちた金は拾わない、と断固として断っていた運び屋だったが、突然一般人に無理やり渡されてしまった。

 このお金で運び屋に兄妹をシコクまで運んでほしいと一般人は頼み込む。彼女はこのお金を拾ったことがきっかけでアクダマになってしまい、もう普通には生きられなくなってしまった。人生を変えた500イェンだ。

 だからこそ、このお金を使うことで運び屋と兄妹の運命を変えてくれるはずだと力説する。身勝手だといわれても、一般人はもうそうと決めたのだから、と笑うのだった。

 一般人は兄妹を運び屋に託し、自分は処刑課の前に出て足止めする。ここまで来たのだから兄妹が一番のアクダマだと笑う。彼女は運び屋に、「私を誰だと思っているの?」と問いかける。金庫の中身を奪い、人を殺し、ここまでやってきた自分は「超S級のアクダマ。詐欺師だ」と。これが一般人、いや詐欺師と彼らの最後の会話になった。

 処刑課の元に下った詐欺師は、「私は一般人です。この爆発には巻き込まれただけです」と保護を求めつつ、近寄っていった。だが、処刑課たちからしたら詐欺師が愚かな嘘をついているのは見え見え。あっという間に、詐欺師は処刑課に死刑を執行されてしまう。

 彼女の最後の言葉は「ざまあみろ」。非業の最後を遂げたのに、その顔は満足そうに笑みをたたえていた。

 ここから運び屋と処刑課のド派手なカーチェイスが始まる。。死なないという特性を生かして兄が運び屋を庇って体を貫かれるなど、見ていて目を覆いたくなるような描写も入る。

 運び屋のバイクが次々と処刑課を倒していくなど血まみれの戦いが繰り広げられる中、一般の少女がその戦いの中に近寄ってくる。すぐに保護に向かう処刑課の後輩。だが、その少女の手には銃が握られており、少女を助け出そうとした後輩を至近距離で撃つ。

 暴発と思われた銃撃。それは少女の明確な意思で発砲された。彼女はなんで処刑課が両親を殺したのか、それを問いかけた。さらに、一般人といって処刑課に殺された映像は、カンサイ中に映された。少女もそれを見ており、処刑課はなぜ罪もない人を殺すのか、と問いかけているのだ。

 少女だけではなく、カンサイ中で同じような暴動が再度起きていた。処刑課が独断で一般人を殺害したとして処刑課をなんとかしないと人権と自由がどうにかなってしまうというウサギちゃんとサメくんの動画も流れたことで、みなが立ち上がり暴動を越したのだ。

 一般人は処刑課の前に出る際に、ハッカーからの冥途の土産を使って一部始終を撮影、そして全国に発信していたのだ。これが「ざまあみろ」の真意だったのだ。

 ボスはこの暴動をどうにか止めようと、警察署長に暴れている一般人たちを皆アクダマ認定するように命令するが、気の弱い署長はこの暴動に恐れをなして自ら死を選んでしまう。

 運び屋はこの暴動に乗り、兄妹たちを連れてシコクを目指す。電磁砲を発射し、タワーを壊し、そこから飛んで一路シコクを目指して走りまくる。だが、先ほど処刑課から受けた傷は徐々に運び屋の体をむしばんでいく。

 あとは山脈を超えればシコクにたどりつく、そんな場所で二人をバイクから降ろしてしまう。妹はずっと運び屋にまわしていた手が血まみれになっていることから状況を察する。運び屋は二人に、「運命を変える500イェン」を手渡し、二人とは反対の方に向かってバイクを走らせる。
 
 追手が現れたのだ。強力な力を持つ飛行機のような物体に、運び屋は電子砲を使って打ち落としていく。満身創痍になりながらも、追手の飛行物体を続々と倒していく運び屋。だがあと1機となったところで運び屋の体も限界を向変えてしまう。

 必死に逃げる兄妹。だが転んでしまい、敵に測定されてしまう。普段なら、兄はあきらめてしまうような状況だ。だが、詐欺師や運び屋がここまでつないでくれたこの状況で諦めてしまうことは出来ない。妹を引っ張って「絶対に逃げきるんだ」と力強く走り出す。

 そこに、詐欺師が残した最後の仕掛けが発動する。ハッカーの冥途の土産が発動し、カンサイ中の電力がダウン。電力で動いていた敵機は動きを止め、落下し始めてしまう。フラフラとした敵機めがけて、運び屋も最後の力を振り絞り、攻撃を当てる。この攻撃を最後に、運び屋も命を落としてしまう。彼の最後の言葉は「上出来だ」である。

 これでアクダマたちは全員命を落としてしまったことになる。

 追手を振り払い、500イェンを手に、兄妹たちは歩き続ける。詐欺師が示してくれたシコクに向かって。そこに何が待っているのかは誰にもわからない。だけど生きつづけることが出来れば彼らの勝ちだ。そして二人はたどり着いた。

 そこで物語は終わる。アクダマ全員いなくなってしまったが、それでも彼らそれぞれの美学と新年を以てアクダマらしい最後を見せつけて死んだ。一般人が最後、一般人ではなく詐欺師として死んだのもすごくかっこよかった。500イェンから始まった物語がまさかこんなに大きな物語になるとは。

 物語のテンポ感も作画もものすごく力の入った作品。原作だよりではないクリエイターたちの本気が詰まった最高の作品だった。

 またどこかで、アクダマたちの活動がみれることを期待したい。

TVアニメ『アクダマドライブ』アクダマたちの活動に終止符が打たれた第12話のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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