アニメ『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~』最終回にして第1話の伏線回収にしびれた第26話

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『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~』公式HPより

 ああ、とうとう2期目も最終話を迎えてしまった……。三期はあるのか? あるよね? あってくれ……。

 シキコーザの暴動により、かなりの偏見で見られていることを知ったマイン。その偏見と侮蔑を吹き飛ばすためにも、マインの力を見せつけてやろうと、広大な敷地に魔力を満たすことに。

 まずは比較対象としてシキコーザが祈をささげるが、ほんの少しの範囲しか魔力をいきわたらせることが出来ない。あれだけ偉そうにしていた分、かなりの体たらくだ。シキコーザと入れ替わってマインが祈をささげると、いささかやりすぎとも思えるほどの圧倒的な力量差を見せつけて広大な範囲に魔力をいきわたらせることが出来た。騎士団の面々には、マインがいくら平民であっても神殿側から圧倒的信頼を勝ち得ているのだということを見せつけることに成功した。

 だが、この討伐はマインの心身にかなりの負荷をかけたようで、帰宅後暫く寝込む事態になってしまう。その間に秋も深まり、冬が間近に迫っていた。マインが神殿にこもる前に、神官長はマインの素性をきちんと調べる必要があると、魔術具を用いて彼女の過去を探ることに。

 ここで描かれた場面は、1期第1話の冒頭シーンだ。当時はいったいこのシーンはなんなのだろう? と全くわからなかったが2期の最終話でまさかここにつながるとは。ここまで考えて作っていたんだと思うと、少し感慨深い。

 不思議な飲み物と魔術具を与えられたマインは突然眠気に襲われてしまう。睡眠状態に入り、夢の中で過去を振り返れば神官長もその体験を共有することができるというシステムらしい。マインは夢うつつの中でその説明を聞き、自分の前世の記憶を神官長と共に振り返ることを承諾する。

 現代日本。神官長から見れば上級貴族の街のように見えるらしい。その中でマインが生活していたこと、本須麗乃という姓人女性だったこと、今とは違う文明があったこと、その中でも本須麗乃は本が好きで、図書館を愛していたことなどが語られる。日本の図書館の様子を見ると、神殿の図書館とはくらべものにならない蔵書の数でマインがこれを望んでいることや、紙の本への執着ぶりを察することが出来たようだ。
 
 そして記憶は本須麗乃の家の様子へ。彼女は生前、本を読むことに夢中にあるあまり、母の好意を無碍にしていたことを思い出す。死んでしまった際も事故だったことから別れの挨拶もできていない。そのことを後悔し取り乱すマイン。マインの記憶を共有している神官長は、マインの悲しみまでも共有してしまい、これ以上の続行は不可能と判断する。

 夢から覚めた二人は、もう二度と戻れない世界を想う切なさを共有していた。この悲しさ切なさを誰にも話すことができないマイン。だが、悲しいときはトゥーリとハグをして気を紛らわすが神官長にはそれをできる相手がいない、とマインは彼を抱きしめる。こうやって過去を思い出せるのなら、とマインは神官長にまたやってほしいと頼むが、彼女の感情を共有するのはごめんだt断られてしまう。

 過去に後悔を抱えていたことを改めて思い出したマインは、今の家族たちには惜しみなく感謝と愛を伝えようとする。冬になったら神殿に詰めなければいけないから暫く会えなくなってしまう。両親とトゥーリという愛する家族との時間を大切にしようと、マインは心に誓うのだった。

 そして、冬に向けて新しい絵本作りや日々の業務に明け暮れマインの日々は続く。この先にもいろんなことがあるだろうし、神殿長とのいざこざもまだ蹴りがついていない。さらに神官長は騎士団長にマインを養子に、とも言っていた。

 これから先、マインはどんなことに巻き込まれていくのだろうか。ああ、三期も見たい。三期もやってほしい。ちゃんとした完結まで、長期シリーズとして長く続いていくことを心から願う。
(文=三澤凛)

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