アニメ『フルーツバスケット 2nd season』暗い話題ばかりの十二支の未来に光明が?第12話

『フルーツバスケット』公式HPより

 今回は原作コミックス10巻56話と57話のエピソード。透くんたちの担任である、繭ちゃん先生の話だ。まさか担任まで草摩家と縁があるなんて当時は思っていなかったので驚いた記憶があるが、細かいキャラクターにまでそれぞれ過去と未来があるのがこの作品の素敵なところだ。

 夏風邪で入院した父の代わりに、実家の書店の店番に立つ繭。昔ながらの書店が激減している中、こういったスタイルの本屋は珍しい。紫呉が常連客のようだが、彼がやってくると誰もが少しげんなりとした顔をする。

 繭は昔から紫呉と知り合いだった様子。というかなんと過去付き合っていたという。一般の女性とは抱き合うことが出来ないのに彼女がいたこと、さらにそれが今面倒見ている面々の担任なのだから世界は狭すぎる。

 紫呉と付き合うことになったいきさつ。それは彼女の親友佳菜の存在があった。佳菜は十二支の一人であり、紫呉の親友であるはとりと付き合っていた。二人から直接「付き合っている」という報告を受けたわけではないが、二人から溢れる空気感などからその関係を察していた繭。

 大切な親友の彼氏だとわかっていたのに、繭は初めて会ったその時から、はとりに好意を持ってしまっていた。もちろん、二人の関係性を壊そうという気持ちは微塵もなく、大好きな二人の幸せを誰より近くで見守るというような心持でいた。

 だが、その気持ちをなぜか紫呉に見破られてしまう。はとりの友達として顔見知りになり何度か一緒に飲んだりしているうちに打ち解けた紫呉。彼は人の心の機微にみるのがうまかった。その気持ちをどうするのかと茶化し、繭がどうもする気がないと知ると、紫呉はそれならば自分と付き合わないか? と提案し、繭はそれを受け入れた。

 二人の付き合いは始まったが、だからといって恋人らしい関係には発展せず、憑かず離れずな関係のままだった。そんな中、はとりと佳菜が付き合っていることが慊人にばれ、逆鱗に触れはとりは佳菜の前でケガをさせられてしまう。

 佳菜は自分のせいではとりが怪我してしまったと精神を病み、苦渋の決断の上、彼と付き合っていた記憶を消されてしまう。

 草摩の家の事情までは聞かされなかったものの、佳菜の記憶が消されることは聞いていた繭。全てを忘れて、繭が紫呉と別れたのならはとりがお似合いなのではないかと無邪気に笑う親友の姿に切ない思いを抱えたまま、二年以上の時が経ってしまった。その間、繭ははとりには一度もあっていないという。

 佳菜ははとりの記憶をなくした後、新しく男性と出会い、その人と結婚をした。さらに紫呉は繭に、はとりに新しい恋人ができたと伝える。佳菜もはとりも先に進んでいるのに、なぜ繭はまだその中から動けずにいるのかと。繭はまだ、はとりに対する好意は消えないまま持ち続けているのだ。

 紫呉の戯言に惑わされてはいけない、と気持ちを切り替えようとしたその瞬間、当のはとりが本屋に現れてしまう。そう、全ては紫呉の差し金だ。

 連絡もとらず会わないようにしていたのに、こうやってあってしまった。だが、久しぶりに会えたはとりは、新しい恋人ができたというわりには、そういった浮かれた様子もなければ、むしろ疲れているようにも見える。その日はすぐに帰ってしまったはとりだが、翌日もまた書店に現れ外で話すことになる。
 
 世間話をしていたが、途中あまり元気がないはとりを心配するも、「幸せとは無縁」という言葉を彼の口から聞いた瞬間に繭の中の何かが溢れ出す。彼が幸せじゃない状況に、何かにとらわれて身動きができない状況が苦しくでも何もしてあげられず、幸せになってほしい気持ちが昂って、まるで子供のようにわんわんと泣き出してしまう。

 繭の大泣きする姿をみて多少戸惑ったはとりだったが、その泣きっぷりにどこか救われたのもの本当のようで、繭が自分の代わりに泣いてくれたことに感謝を示した。さらに、はとりには恋人などできておらず、紫呉の策略だったことも判明する。だが、2年以上途絶えていた縁は復活し、恋仲になるかどうかはおいておいても、少し先の未来には、二人で出かけるようになることが示唆された。

 次回はとうとう夏休みおわって生徒会始動になりそう。顔見せした後に音沙汰がなかった分、活躍を期待したい。
(文=三澤凛)

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