TVアニメ『LISTENERS』2クールならもっと良い作品になった予感…第12話

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LISTENERSより

 この作品もいよいよ最終回。ミミナシの王、リスナーズとして現れたミュウに、エコヲの声は届くのか。最終回もかなりの疾走感だ。

 ミュウとしての記憶をなくし、ただただ、ミミナシの苦悩で世界を満たそうとするリスナーズ。今まではただの人間だったエコヲに祈手の穴が現れ、ミュウが使っていたAC30を操り、対峙する。彼にとって、ミュウはジミの妹でもなく身代わりでもなく、ゴミの街リバチェスタで出会った「ミュウ」なのだ。それを繰り返し伝え、もう一度再会しようという一念でエコヲはここに立っている。ミュウは自分も人間も、そしてミミナシも何者でもないということを嘆いているようだった。

 だが、そのミュウの嘆きにエコヲは「誰もが何者でもなく、誰とも違うからこそ出会えたんだ」と告げ、ミュウが破壊しようとする攻撃を全て受け止めてしまう。過去に、ジミを筆頭に行われた統一する企画も邪な思惑により失敗してしまったがエコヲのただただ「ミュウに会いたい」という一つの強い想いが、10年以上の時を経て誰も達成できなかった「共存」を成功させてしまう瞬間がやってきたのだ。

 正直なところ、このアニメの細かい部分はなんとなくわかりづらい。オリジナル設定オリジナルな世界観の割に説明が少ないので雰囲気で感じとらねばならないところが多く言語化が難しい。

 この最後のミュウと対峙したエコヲが祈手となって、ミュウの攻撃を受け止めたことにより、共鳴が生まれ、リスナーズ(ミュウ)とミミナシとエコヲの音が重なったことが長く続いた人間とミミナシのいさかいをとめたことを表しているのだけれども、結局ジミって何だったの? とか、この世界における「音」や「歌」は何だったの? とか説明不足な部分は否めない。

 だけれども、開始10分ちょっと。Aパート終了と共に突然始まったEDが流れてきて「Listeners」というタイトルに泣かされてしまうし、みんなが決め顔してるのにぐっしゃぐしゃの泣き顔なエコヲを見ても泣けてくるんだから考えるな感じろってことなんだなと思わされる。

 BパートはまさかのTRACK 13「トゥモロー・ネバー・ノウズ」がスタートする。それぞれのキャラクターの後日談。大きな戦いが終わり、各地で人間と擬人化したミミナシが共存した生活を送っていることが描かれる。ケヴィンは国王となり新しい世界の体制づくりに追われていたり、殿下はそのままだったり、と変化を知ることができる。

 中でも一番うれしかったのは、クリスマスの日のミュウの暴走により命を落としたと思われたリッチーとライドが生きていたことだ。生きててよかったー!! この物語の一番の被害者だと思われていたニルの笑顔も見ることが出来て誰も不幸にならないエンドでよかった。

 そして気になるエコヲとミュウはまたあいも変わらず二人で旅をしているようだ。ジミに会うという目的ではないはずだから二人の旅の理由はわからないけれど、いつも通り喧嘩しながら一緒にいる二人をみれてよかった。
 
 1クールではなく2クールものならもっと丁寧にやれたと思うと少々のもったいなさを感じるが、使用されている楽曲にこだわり、作りてのこだわりが随所に感じられる贅沢なアニメだった。二人の旅が続き、音楽があるならばいくらでも続きが作れると思うので、また新たな旅を見せてもらいたい。
(文=三澤凛)

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