TVアニメ『波よ聞いてくれ』未回収の伏線が山積のままだが…第11話

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TVアニメ『波よ聞いてくれ』公式サイトより

 毎回すごく面白いのに、このアニメの目的って何なんだっけ? そんな「波よ聞いてくれ」もとうとう11話目だ。

 光雄との関係に色んな意味で決着をつけるために光雄を埋葬することになった(?)ラジオドラマの続きからスタートする。

 埋めたはずの光雄がなぜか全身バッキバキに折れて不自然な方向に色々俺曲りながらも笑顔で土から這い出てくるというグロ描写。まるでゾンビだ。もちろんこの描写は全てラジオドラマの中の空想のもの。

 彼が動く音全てがスタッフたちの手によって作られてまるでその場面が見えているかのように描写されているだけなのだが、この光雄の描写はちょっとトラウマになるくらい怖い。
 
 さらに光雄は地中の中に神様がいて、その神様が来世に導いてくれるありがたい説法を唱えてくれているから一緒に行こう、とミナレを誘う。拒否しても、強力な力であっという間にミナレは地中深くに連れ去られてしまう。

 しかも地中の中でも息は吸えるし会話もできる不思議空間。それっぽいBGMも流れてかなりムーディーだ。殺し屋役の麻藤さん、光雄、ミナレが神の前に連れられ、なぜか青木ヶ原樹海についてのうんちくを聞かされ、それぞれのカルマを語ることで来世への道が開かれるというのだ。

 最初は殺し屋麻藤さんが自分が殺し屋になったきっかけと後悔を語りだす。妙にリアリティがあるから不思議だ。日本にも殺し屋っているのだろうか。ちなみに麻藤さんはなぜか片方の目玉が飛び出していて、画面を直視できない。麻藤さんのカルマをきいた神は彼の来世をスウェーデンのハッランドレーンに転生させると告げ、麻藤の姿は消える。
 
 お次は光雄。彼は何をしても最終的には女の子を怒らせてしまうというカルマを吐き出す。来世に望むのは、そんな自分の世間一般の人との埋めがたいズレを直して生まれ変わりたいということ。その願いはきき上げあれ、彼もスウェーデンへと転生していった。謎のスウェーデン縛りだが、福祉が充実しているからだそうだ。

 最後はミナレの番。ここまでの二人の台詞は台本の元、芝居してきていたわけだが、ミナレのターンは全てアドリブ。ミナレのカルマは色々とあるけれども、彼女はそれら全てを後悔しているわけではなく、挽回したいと考えていいると語る。だからスウェーデンに転生するのではなく、鼓田ミナレとして生まれ変わりたいと高らかに宣言して、この番組は終了する。

 あまりにもSFチック。あまりにも意味不明。だけれども面白いということでじわじわ人気にもなっているし、スタッフたちもなんだかんだ手を貸してくれている。彼女に関わった人間たちも、皆オンエアをリアルタイムで視聴してくれているのだ。それはすごいことだと思う。

 だが、まだこの番組はリスナーをがっちりと取り込めていない。普通のラジオ番組はリスナーありきでできている。この番組はそこをすっ飛ばしていることを改めて指摘され、ミナレは自主的にラジオをきいたことが無いことに気付く。そこで、麻藤から夜中にやるラジオをいちどしっかり聞いてみて、企画を考えてみろと提案され、彼女も聞いてみる気に。

 一方、久連木の退社という知らせを聞いてからひっそりとでも確実に意気消沈している同居人の瑞穂の様子を気にかけている。彼女はチーフディレクターになって、ミナレと久連木という彼女の考える最強の布陣で番組を作るのが夢と語っていた。その夢がかなわなくなるかもしれないし、彼に対する想いにはまた特別なものがあるのかもしれない。

 瑞穂の久連木への想いも、麻藤がミナレを起用したきっかけとなる人物の話、マキエ問題、甲元と瑞穂の関係などなど、伏線だけ張られて解決されていない問題が山積みのまま、次回最終回。一体どんな形でこの物語は収束するのだろうか。

 原作は終わっていないっぽいので、続きは原作で、みたいな形にならずにアニメはアニメとしてすっきりとする結末を望みたい。
(文-三澤凛)

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