TVアニメ『イエスタデイをうたって』陸生、榀子、ハル、浪の四人の関係に変化が？？第11話

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　恋をするということは傷つくということで、気持ちがどんなにあってもうまく届かないことなんていくらでもある。そんなことを想わされる最終回直前。

　ハルの家に空き巣が入ったということで呼び出された陸生。幸い被害はなかったものの、やはり一人暮らしの家で何かあったあとというのは不安で仕方ない。陸生の優しさに付け込んでいるようにも見えるが、ハルは陸生に懇願して泊まってもらうことに。

　別室に寝ることで了承した陸生だったが、これだけでもかなり心強いのは間違いないだろう。というかハルの家ってどうなってるんだろう。かなり広い日本家屋に見える。

　泊まった翌日、朝ごはんをふるまわれた際に、ハルの口から榀子の名前が出たことをきっかけに陸生はハルに榀子との関係が進展したことを伝えようとしたが、それができないままにハルと別れてしまう。なんで言えないのかが謎だ。

　陸生と榀子はその後も順調に逢瀬を重ねるが、その中で榀子もまた、浪に自分たちの関係を伝えていないことを知る。今は受験生だから刺激を与えたくないというのが彼女の言い分ではあるが、それは陸生に対して不誠実にも感じられる。だが陸生もハルには言えてないからどっちもどっちではあるのだが。

　だが、そんな二人の不誠実な行動が、最悪の結果を生み出してしまうことになる。お互いの家を行き来して夕飯を共にする榀子と陸生。今日は陸生の家で榀子の手料理をふるまってもらっていた。榀子の手料理に感激するも乏しい語彙慮でその感謝をうまく伝えられないが、それは学生時代の時から変わらないと笑われてしまう。

　榀子の知っている人の中で一番ダメな人、それが陸生だったのだ。いつも料理を作ってくれる榀子がお弁当も作ってくれるという。何かリクエストがあるかと問われた陸生は勇気を出してキスをしようとするが、やはりそれは拒まれてしまう。陸生はヘタレだからか、優しいからか、そんな榀子のことを待つ、と言ってくれる。ある意味いいカップルにも見える。

　そんな二人が一緒にいるとは知らずに、ハルは空巣事件のお礼も兼ねて陸生にミルクホールで作った料理をもって陸生宅に向かおうとしていた。ちゃんとお礼という大義名分があるから大丈夫だよね、と自分をふるい立たせて向かったが、ちょうど榀子を送ろうとしている二人にばったりとあってしまい、二人の関係が進展したことを知ってしまう。

　「陸生をキープしていてずるい」と本音をぶつけてしまうが、今自分が何か騒いだところで二人の関係が変わらないことを悟ったハルは涙をこぼしそのまま二人の前から消えてしまう。どうやら、ミルクホールのアルバイトもやめてしまったようだ。
　
　そしてとうとう、浪が受験を無事合格という形で終え、進学に向けて家を出ることになるという。学校と榀子の家の間あたりに引っ越すのは、越しても榀子が料理を作れるように、ということらしいが頼りすぎじゃなかろうか。榀子が大学に入ったら友人との付き合いもあるのだから今までのように頻繁には作れないと遠回しに言うと「義務で作っていたのかよ」とへそを曲げてしまう。こういう態度を取られると、そりゃ陸生とのこと言い出せないよな。とも思ってしまう。

　榀子も、陸生と付き合っている関係から一歩も前に進めないでいることに罪悪感を覚えているうだが、そのことで二人の関係がぎくしゃくしてしまうのはお互いに嫌だと思っている。不思議な気の使いあいがあって、どちらも窮屈な思いを多少感じている。だが、お互いがお互いを想いあっている部分もあり、難しい。榀子のマンションの前で、二人がそんなやり取りをしているところに、突如浪が現れる。

　怒ったような口ぶりで二人の関係に乗り込んできた浪。次回は最終回。陸生、榀子、ハル、浪。この4人の関係はどうなっていくのか。
（文=三澤凛）