TVアニメ『イエスタデイをうたって』榀子とハルどちらを選ぶのか？第9話

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　気まずい空気が漂っていた浪と榀子。榀子の方から家に食事を作りに来てくれたことが関係修復に向かせてくれた。浪も素直に自分がした行動について謝ることができ、榀子もずっと昔から築いてきた浪たち家族との関係を壊したくないと望む。浪は自分たちの関係が壊れることなんてない、と豪語するがどんなに家族ぐるみな関係だって思ったよりも簡単に壊れてしまうことだってあるのだ。

　とにかく、榀子の歩み寄りによって関係が修復した榀子と浪。榀子は受験が目前に迫っている浪のために夕飯づくりやお弁当作りを買って出て、頻繁に浪の家に出入りするようになる。
そのことに気をよくした浪は、受験も追い込みなクリスマスの夜に榀子とクリスマス会をしようと誘う。勉強の息抜きに、と強く誘われては榀子も断ることが出来ない。

　だが時同じくして陸生も福田からクリスマス回に招待される。福田は妻と画策して大学時代の写真を見ながら話すという口実を作って榀子も誘えと言ってくれるが、もう浪の誘いに答えてしまっていたために誘いは断られてしまう。

　福田に言われて大学時代の写真を整理していた時にちょうど榀子が現れたことから誘えたが、写真を眺めているとどうして榀子と仲良くなったのか、詳細を思い出せないでいた陸生。
榀子が陸生の元に訪れたのは、同じように彼と仲良くなったきっかけの銀杏をスーパーで見つけたからだった。

　金欠すぎて食事もままならず校内に落ちていた銀杏を集めて食べていたことがきっかけという、ときめきポイントが一つもないきっかけだがインパクトは十分だ。そこから長い友人時代を経て今に至るわけだ。

　ハルは仕事をきっかけに生まれた陸生との距離に悩み迷っていた。強きに榀子にライバル宣言をしていた自分をも羨ましく思うほどに、どんな手法で彼に会う口実を作ればいいのかわからず思いあぐねていた。

　コンビニバイトだった時のようにいけば会える、というアドバンテージが無くなりさらに少し避けられているような気がしてしまうと及び腰になってしまうものだ。それでも勇気を出して帰りをまってみたが、それでも会えないまま終わり、クリスマスを迎えてしまう。明るくバイトに精を出すが、陸生に会いたいという気持ちは募るばかり。

　そして、クリスマス当日。約束通り浪の家でごはんを作り、クリスマス会を行う榀子と浪。浪の父は出張で二人きりであることを意識し始めたのは、浪が榀子からのクリスマスプレゼントのお礼にと彼女の絵を描き始めてから。見つめられ、無言の時間が多いといくら弟のように見ていた浪が相手でも多少の警戒心を持ち始めてしまうのも仕方がない。

　浪が軽口をたたいたことをきっかけにして、この場をお開きにして家を出てしまった榀子。だが、クリスマスの夜も序盤のうちに一人きりになるのはどことなくさみしい、と陸生が誘ってくれたクリスマス会の事を思い出し福田に連絡をとり、陸生の参加するクリスマス会に顔を出すのだった。

　全体を通しての感想の中で榀子の魔性の女っぷりが嫌いという人が多いが、個人的にはハルよりいい印象を持っているし、こうやってどっちにも曖昧な態度をとってしまうのも気持ちが整理できていないからだとも理解できる。

　残り話数が少なくなってきたが、最終的には榀子とハルどちらを選ぶのだろう。
（文=三澤凛）