TVアニメ『イエスタデイをうたって』陸生が脱フリーターを果たすも3人の関係性に発展は……第8話

TVアニメ『イエスタデイをうたって』公式サイトより

 恋愛のドロドロとした、言葉にできない難しい部分がどんどん表面化。見ていてそれぞれのキャラクターの気持ちが痛いほどわかるのになんとも言えないこの感じになってきた。今よりも少し前の時代の話だけれども、こういった恋愛での不器用なやりとりというのは、時代が変わっても不変だ。
 
 榀子の「自分の部屋によれば?」との誘いに応じた陸生。これは一歩先に進むチャンスだとお互いが感じていた、だが、部屋の前まで来て急に怖気づく。ここで陸生も引いてしまうから、このふたりは全く進展しないのだ。後日それぞれが友人に相談を持ち掛けたが相談される側からすると「何やってるんだ」の一言である。

 据え膳食わぬは男の恥。だけれども陸生はガツガツ行くタイプでもないし、相手に嫌われたくない思いもあるだろう。榀子も一歩を踏み出すと決めたものの、いざそれが現実的になってしまうと不安を感じてしまう。どちらの気持ちもわからなくはない。だけれども、この瞬間を逃したら、この先もうまくいかないのが人間関係の不思議だ。

 この件をきっかけに、陸生は恋愛関係の雑事を振り払うようかのように仕事に没頭。コンビニのバイトにもほぼ入らずにスタジオ仕事に精を出し、その働きが認められ正社員として採用されることになった。

 コンビニバイトで一緒に働いていたバンドマンの木ノ下さんもバンド活動が軌道に乗っているようで同じタイミングでバイトを辞めることになったようだ。

 脱フリーター。だが、陸生はこのことを榀子にもハルにも報告していなかった。仕事に没頭することで雑事から目をそらしたかったのかもしれないが、思いを寄せる女性と思いを寄せてくる女性。どちら対してもそれをしなかった理由は何だったのだろうか?

 榀子とハルは同じタイミングでコンビにを訪れ、最近陸生がバイトに入っていないことに気づく。ハルは陸生のその行動が彼らしいと笑い、その言葉に触発された榀子はその足で陸生のアパートに向かい、彼と遭遇し正社員の件を知る。

 決めるまでは悩むけれど決めると一直線になるところがある、とハルが評していたことがつい口をついて出そうになり、榀子は初めてハルをライバル視している自分に気付くのだった。

 ハルは榀子とは別日に陸生の職場にいつものように押しかけ、仕事が終わるのを待ち伏せする。「送ってよね」と言い放ち、その間に正社員になったことを聞きだし、コンビニを辞めたことをなぜ報告しなかったのか、と責めたりもする。

 陸生は彼女からの好意は嬉しく思っている分、無下にもできないと感じている様子。「迷惑だ」とは言えない。けれど自分のために時間を使ってほしくないとも言えない。だから「今までのように待ってなくていい。夜遅くなることも多いし、夜道はあぶない」など、ハルの方から引けるようなワードで言葉を紡ぐがそれは逆効果である。

 遠回しに彼がもう来るなと言っていることを悟ったハルは、自分がやりたいからやっているんだけどなぁ、とつぶやきつつも陸生の前から姿を消す。それしかできないだろう。陸生が正社員になれたこと、仕事に夢中になっていることを誰より喜んでいるひとりだと思うが、陸生としてもハルの愛情をそのままスルーするのは忍びなかったのかもしれない。

 榀子も一歩を踏み出したくても踏み出せない自分をどうにかしようと、部屋を念入りに掃除し、逃げ回っていた浪へもキチンと向き合おうとしていた。彼からの告白を振り切ってからあっていない気まずい状況に、彼女はどうケリをつけるのか。

 それぞれが一歩ずつ踏み出すと世界は変わっていくのだというのがだんだん見えてきて面白くなってきた。原作部分は全て補完して終わるのだろうか。次回も楽しみだ。

(文=三澤凛)

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