アニメ『フルーツバスケット 2nd season』将来に悩む高校生…でも草摩の人間はちょっと違う?

アニメ『フルーツバスケット 2nd season』将来に悩む高校生…でも草摩の人間はちょっと違う?の画像1
『フルーツバスケット』公式HPより

 今回は8巻46話と9巻収録の52話を見事にブレンドさせたストーリー展開になっている。進路に惑うのは高校生らしいが、草摩の人間の悩むそれはまた違った意味を持つようだ。

 透や花ちゃん、魚ちゃんもまだ特にこれといった職業につきたいという希望はないようだ。しかし、透は昔から卒業後は就職して自立することを目標としていた。進学・就職以外にも女性には「お嫁さん」という選択肢もあるのではと言われた透だが、さすがにまだそこまでは考えていないようだ。

 日付が変わり夾と二人で出かけている透。どうやら今日は夾の師匠にお呼ばれして一緒にお昼ご飯を頂くことになったようだ。得意ではないのに二人が来るから、と料理していた師匠だったが紫呉の新刊に夢中になっていたら全てを焦がしてしまい、結局透が昼ご飯の用意をすることとなる。

 だが、そんな幸せな時間を壊すような電話がかかってくる。電話の相手は夾の父親だ。師匠は二人を残しそっと彼の元に向かうが、そこでのやり取りはひどく悲しいものだった。

 夾の実の父親であるにもかかわらず、彼が今のように自由な生活を送っていることに怯え、一刻も早くネコ憑きが幽閉される部屋に閉じ込めてほしいと懇願してきたのだ。
 
 育ての父であり、元ネコ憑きの家族だった師匠は夾の父親をとてもさみしい目で見つめる。今こんなに師匠は夾を愛しているのに実の父がそれができないこと、ただただ悲しいし、この父から出る言葉を夾に聞かせたくない。

 透と出会って、大きな変化を迎えている夾の姿をみれば、彼も変わるかもしれないがそれは今は出来ないだろう。師匠は父の懇願を受け入れることはできないと突っぱね、二人がいる家に戻っていった。

 進路問題は、紅葉との間にも話題に上る。彼には夢がありそれはとても素敵なものだが、かなえられないかもしれない、とさみしく笑う。そう、草摩に生まれるということは、十二支であるということは選びたい未来を選ぶことができないということなのだ。

 そしてまた透も、両親がおらず今は草摩の家にいられるがいつまでもこの生活が続くわけではないことは重々承知している。先が見えない「未来」という物に対して、漠然とした不安は常に持っている状態なのだ。

 夾と話している中でその不安を言い当てられてしまい、涙をこぼす透君。ただ笑って話を聞いてくれる夾と透君の二人の空気感が本当にたまらない。

 いい雰囲気になっていた二人だが、そこに紫呉が乱入。大人からのアドバイスとして、漠然とした不安を抱えている状態を洗濯物に例えて、わかりやすくそういった不安も一番近くのものから洗濯していけば、いつか絶対に終わるということを言ってくれる。

 いつも紫呉はおちゃらけた感じだが、ちゃんと大人としての言葉を発する。この言葉、昔悩んでいた時に助けてくれもらった台詞だった。多分同じ気持ちだった人も多かったのではないだろうか。そして時がたって今またこの台詞は多くの人の背中を押してくれるだろう。

 この辺りから、メインメンバーたちの物語りがどんどん進んでいく神エピソードが目白押しなので毎週涙と戦いながらになるのだろう。実に楽しみだ。
(文=三澤凛)

アニメ『フルーツバスケット 2nd season』将来に悩む高校生…でも草摩の人間はちょっと違う?のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!