アニメ『フルーツバスケット』夾が“猫憑き”の本当の姿に!! 透の決断が見るものの心を打つ第24話

TVアニメ「フルーツバスケット」公式サイトより

<第24話>帰りましょう
道場をこれ以上は空けておけないと、夾の武術の師匠である草摩藉真が修行から戻ってきた。藉真は夾との再会を喜ぶ。というのも、藉真の祖父は猫憑きだった。夾の立場を一番理解し、本当の父親のように大切に思っているのだ。が、藉真は道場へ帰ってもいいかと聞く夾にこう言い放つ。「お前はここで暮らしていくんだ」と。

 フルバの中でも大きなキーポイントになる、夾がメイン。重要な回なのだが、前半の作画が残念! アップはいいけど引いた画がガッタガタだった。後半に向けていいシーンが続くだけに不安が募ってしまった。こんなところでハラハラしたくない……。

 神楽や由希に武道を教え、そして夾の父親代わりをしていた草摩藉真。彼が久しぶりに夾に会いに来た。由希や紫呉の前では恥ずかしがって素直に喜ばないが、師匠である藉真と二人きりになるととたんに子供のような顔になる夾。

 夾の子どもっぽいところもいい。『また一緒に暮らせるようになるのか?』など矢継ぎ早に質問するなど、喜びがにじみ出ている。だが、今回師匠が来たのは夾にとっていいニュースではなく、悪いニュースだった。

 夾の母親は夾を生み、「愛している」と言い続けながらも最後には自殺。夾の前の“猫憑き”が祖父だった師匠は、その縁もあり、彼の身寄りが亡くなった際に声をかけ面倒をみることになったという。猫憑きは十二支たちよりも異質な扱いを草摩の中でも受ける。その家族も普通とは違った責任を負わされるのだろう。

 母親はいつも「愛している」「夾のことが自慢だ」と語りかけるも、猫憑きである夾を怖がっていた。それどころか疎ましいとすら感じていた。複雑な感情を「愛している」という言葉覆い隠し、生活していたがついに壊れてしまった。それを身近で感じていた夾はどれだけつらかったか。

 だからこそ、夾を受け入れて色々なことを教えてくれた師匠は、彼にとって一筋の光だった。母とは違い、自分の本当の姿を知っても、すべてを肯定してくれる初めての存在。

 彼が常に腕にしている数珠は、彼の猫憑きの本当の姿を抑えるためのもの。それを外すことを夾は恐れていた。誰かにその姿を見られて忌み嫌われてしまうのが怖かったのだ。しかし、師匠は透の話を聞き、夾の今の言葉を聞き、その秘密を透に見せることを選択。透の存在にかけようと考えた。

 透は突然の夾の変身に戸惑い、怯え、心身ともに恐怖する。しかし、だからといってそれを拒絶することはない。いくら姿形が変わったといえども、「草摩夾」という存在を大事に思う透は、真実を正面から受け止め、どうすればこれからも一緒にいられるかを考えたいと訴える。好意を抱いている透からの温かい言葉に、夾はやっと安心することができたのだった。

 どれだけの人がこの回を見て、嗚咽を漏らしたのだろうか……。猫憑きというハンデ、異形、母親からの拒絶、そして死、誰からも愛されることない人生だと思ったこともあったはずだ。しかし、それらをすべて受け入れてくれる透。彼女の存在が夾にとってどれだけ支えになることか。

 ここから物語は加速度的に進んでいく。マンガ全編のアニメ化を謳っていたが、このままクールをまたいで続くのか。それとも、休みを挟んで帰ってくるのか。なるべくならば、このまま連続して放送してもらいたいところだが……。
(文=三澤凛)

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