途端に口いっぱいに広がるのは、とびっこのにおいでも炒めたご飯の香りでもなく、香ばしくて芳醇なチャーシューの香りだった。
(ウオォー、よだれが噴射しまくるぜ!)
そして、ひと口噛みしめた途端、「カリッカリッカリッ」っと、口の中に今度は軽快なリズムが鳴り響くのだった。
(めっちゃうまいし、歯ごたえも軽やかでサイコーですやん!)
厨房から出て常連客と思しき客と立ち話をしているオヤジをチラ見する筆者。そのテレパシーに気づき、チラッと視線を合わせるオヤジ。
(せやろ。うまいやろ。3時になったらとっとと出ろよ)
(わかっとるわ!)
無言の会話をしていたその時、またしても来客が。筆者の斜め前に座った近所に住む常連客風の男が注文したのは、チャーシューチャーハンだった。
(やっぱりこの店、チャーシューが人気なんだ!)
しっかりと料理は手が込んでいて、さらにアイディアのエッセンスが光る。さっきまで苦虫噛み潰したような表情をしていた筆者の顔は、オレンジ色の輝きに照らし出されて明るく微笑んでいるのだった……。
なんてファンタジーな結末なわけないが、めちゃうまかったのはホントだし、電話のオヤジが横暴だったのもホント(笑)。チャーシューがうまくてチャーハンもうまい。
どおりで、「食べ◯グ」に掲載されている写真も、チャーハンばかりなわけだ。できればオヤジ、俺が次に来るまでに、「とびっこチャーシューチャーハン」ってメニューを作っといてくれ。元気でな。
東京・板橋区大山 丸鶴「とび子チャーハン」850円
(写真・文=よしよし)
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