『キャロル&チューズデイ』明かされるキャロルと家族関係の秘密…デビュー曲も完成しこのまま波に乗れるのか?

 全世界の音楽を愛する人に捧げる、ふたりの少女が起こした奇跡の物語『キャロル&チューズデイ』。14話『The Kids are Alright』がオンエアされた。

 ついに、伝説の音楽プロデューサー・トビーと出会う。あまりの衝撃に困惑するキャロル&チューズデイ。一方、順風満帆なアンジェラには、不穏な影が忍び寄る。
 そんな中、バイト中にヴァレリーの取材をする謎のジャーナリスト・カイルと出会い、困惑するチューズデイ。そして、先日出会ったダンに、再度助けられたキャロルは徐々に心を通わしていく。デビュー曲のレコーディングもスタートした二人は、果たして…。

 前半ゆっくりしすぎたせいか、後半に入ってから展開が速く感じる。色々なことが動き出し始めた。

 見るからにやばいオーラが漂っている男・トビーが伝説のプロデューサーということで、身の危険を感じるふたりだが、ガスは自信を持ってプロデュースをお願いする。なんだかんだありつつ、結局トビーはキャロル&チューズデイのプロデュースを受けてくれることに。

 しかし一筋縄でいくはずもなく、レコーディングはトビーの家。現代の世界で使用されているマイク一本で全てを録るという。そしてキャロル&チューズデイのレコーディングバンドとして駆けつけてくれたのは、以前ライブパフォーマンスを見せてくれたスキップと彼の率いる鵜バンドたちだった。キャロル&チューズデイはふたりの演奏するギターとピアノのみだったので、リズム隊含むバンドが入ると曲の印象がだいぶ変わる。

 トビーのスパルタレコーディングはなんとテイク52まで続き、やっと完成。みんなぐったりした中で、キャロル&チューズデイのデビュー曲が完成したのだった。

 ふたりが悪戦苦闘している中、アンジェラの周りもざわつき始めた。彼女の行動を監視するようなアカウントが現れたり、タオが彼女のいままでの情報を元に、まるで彼女がいなくても活動が出来てしまいそうなAIを生み出したり……。いままで順調すぎたアンジェラに何かが起こりそうな気配がする。

 また、チューズデイの母親で政治家活動にも暗雲が立ち込める。選挙で勝つために政治屋が考えた突飛な公約を出さざるを得なくなるようだ。この政治活動はまたチューズデイの活動に支障がでるようになってくるのだろうか。

 先週から登場したキャラクター、ダン。何か訳ありのような描写の続いていたダンの正体が判明した。

 オーディション番組で注目を浴びたキャロルの元には、数々の偽物の両親が現れた。どれもこれも金に目がくらんだ偽家族で、時にはキャロルに暴力的な行為を働いたりする。今回もそんな場面に遭遇したダンは、またしてもキャロルを助けてくれた。顔なじみになり、何度も助けてくれたダンにキャロルは親近感を抱き始める。そこで彼女は身の回りに最近頻発する偽家族の苦労と、本当の家族への愚痴をこぼしてしまう。「いまさら会いたいなんて無責任すぎるよね」と。

 ダンは現在、地球で保護観察を受ける立場だそうだ。今回火星に来たものの、まもなく地球に戻らなければいけないらしい。そんな彼が、再度キャロルの前に現れ自身の過去をぽつりぽつりと語り出した。ちゃんと名乗り出たわけではなかった。しかし、キャロルにはその話が何を意味するのか悟り、再度の再会を約束し別れたのだった。

 キャロルもチューズデイもお互い環境は全然違うけれども「親」という存在に別々に悩んでいた。チューズデイの悩みはまだ続きそうだが、キャロルのひとつの謎が解決したように思われた。

 涙を浮かべ別れの挨拶をしたキャロル。母についてのインタビューの打診に迷うチューズデイ。この違いが、彼女たちの歌に与える影響は……。デビュー曲のレコーディングが終り、来週はどのような展開を見せるのか。来週もたのしみだ。
(文=三澤凛)

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