「出るとこ出ましょうか」な日が来るなんて……報酬未払いにライターが挑む【幕開け編】

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 会社員の方が働きやすい人、フリーランスの方が働きやすい人、これは相性もあると思う。私は10年会社員として働いたあとフリーランスになったが、「いろいろな人と仕事ができる」「仕事を自分で選べる」「しがらみがない」フリーの働き方は合っていると思う。しかし、何かトラブルが起きたときに法務部も顧問弁護士も相談できる上司も交渉してくれる事務所もないフリーランスは一気に大変だ。そして今、私は「報酬未払い」という問題に直面している。こんなときにどうすればいいのか、また、何をしてはいけないのか、実体験からお伝えしていきたい。

■もともと「頼む側有利」な業界構造

 今回のトラブルは、進行していたある書籍の企画が、先方の編集者が退職し、引継ぎがあったものの一旦仕切りなおし、という形になり「一端清算する。完成原稿をもらったわけではないので、交通費と必要経費しか出せない」という先方に対し「途中までの作業料(原稿料)は欲しい」という私の主張が平行線をたどっているという構図だ。

 書籍の業界は、契約書を書籍が出る直前か、下手すると書籍が出てから交わす、というヘンな風習がある。契約書を交わさないままで仕事が進むために、今回のようなトラブルが途中で発生したときに「ここにこう書いてありますよね」などとする拠り所がないのだ。かといって「契約書を先に結んでください」と言ったところで「面倒なこと言ってくるライターだな、じゃあいいや、別の人に頼むから」とお払い箱になるだけだろう。今回の案件も、契約書は交わしていない。

「いくらで仕事するのか」すら、はっきりしないまま進むことだってある。私は極力聞くようにしているが、なまじこれが「自分が先方に散々お願いしていただいた仕事」「憧れの会社との仕事」「自分にとって大チャンスな仕事」だったりすると、惚れた弱みで相手の言いなりになってしまうことだってたくさんあるだろう。泣き寝入りしやすい土壌があらかじめできており、夢がからむ仕事はなかなかシビアだ。

■電話と即答は危険!トラブル時のやりとりで気をつけたいこと

 何回か先方と平行線のやりとりをして、今、私からトラブルに巻き込まれたフリーランスの人に言えるのは以下の4点だ。

・電話でなくメール推奨

 電話は言った言わないになりかねないし、メールなら証跡も残る。言い合いは感情的になりやすいのでメールで冷静に、が私の場合はよかった。トラブルというだけで消耗戦なのに、それに言った言わないが入れば死の行軍だ。電話は「簡単なこと」や「お互いの関係が良好なとき」「自分が立場が上なとき」なら便利だが、「込み合っていること」や「トラブル」「自分の立場が下」のときは向かない伝達手段だと思う。

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