女性器アートを語るなら絶対に読んでおきたい! 中田雅喜『ダンボ』シリーズの衝撃

女性器アートを語るなら絶対に読んでおきたい! 中田雅喜『ダンボ』シリーズの衝撃の画像1著:中田雅喜『空は女の子でいっぱい!』(1986年 白夜書房)より引用。

「表現の自由」をめぐり注目を集めている、芸術家・ろくでなし子氏の逮捕事件。彼女がこれまでも女性器をモチーフとしたアーティスト活動を続けて来たという報道を聞き、一部で「女性器をテーマとした作品といえば……」と思い出されている作品がある。

 それが、中田雅喜氏の『真・ダンボ』シリーズである。「漫画ブリッコ」1984年10月号から1985年12月号まで連載されたこの作品を簡単に説明するとこうだ。

 小陰唇が肥大した女の子が、空を飛んだり男を捕まえたりする。

女性器アートを語るなら絶対に読んでおきたい! 中田雅喜『ダンボ』シリーズの衝撃の画像2著:中田雅喜『空は女の子でいっぱい!』(1986年 白夜書房)より引用。

 いや、簡単に説明するとホントにこういう作品である。

 このとんでもないアイデアは、中田氏は後に「リイドコミック」で連載したコミックエッセイ『ももいろ日記』(この作品も、女性マンガ家が自身のセックスを語ったコミックエッセイの元祖)にて、次のように語っている。
 
「このキャラを思いついた時、早く描かないと誰かが描いちゃうとアセった」

「われながら自信作ができあがった」

 この時最初に描かれたのが、「コミックセルフ」に掲載された「ダンボ誕生編」となる『逢魔ヶ辻の女』である。

 まさに女性器をモチーフにした作品を語るならば、ぜひ読んでおくべき作品なのだが、現状、読む手段としては古本屋で『真・ダンボ』シリーズを収録した単行本『空は女の子でいっぱい!』(白夜書房)を探すか、「漫画ブリッコ」の各号を集めるか、図書館で閲覧するかくらいしか手段がない。

 なるほど! こういう時のために赤松健氏の立ち上げた「絶版マンガ図書館」は重要なのだな。
(文/昼間 たかし)

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