TVアニメ『体操ザムライ』最高のフィニッシュだった第11話

TVアニメ「体操ザムライ」公式サイトより

 すごい作品だった。あと1話あったらもっとあれもこれも見れたのか。でも11話だからこその走り切り感もすごくあった。でももっと見たかった。でも最高の作品だった。それだけは間違いない。
 
 初日の大会での活躍のおかげで、新聞でもニュースでも「サムライ復活」の文字が並ぶ。その期待を一身に背負って城太郎は2日目の試合に挑むために先に家を出る。

 マリやカズたちと共に車で会場に向かう前に、昨日レオに試合を見に来ることを断られたことを告げる玲。だが、カズはレオが急に帰ると言いだすのはおかしいだろうと言いだす。いい負かされる形でレオの帰国を納得してしまった玲だったが、やはり自分は間違っていたと気付き、レオを空港まで迎えにいくことを決意。カズは先に会場に行き父に絶対にレオを連れて戻ると告げてくれとお願いする。

 マリに車を飛ばしてもらうも、間に合わないのではないかという不安が襲う。玲はレオの帰国を教えてくれたエージェントに連絡し向かっているからレオをなんとか引き留めていてほしいとお願いする。このエージェントさん、レオに万全の気持ちでバレエに挑んでほしいから彼が城太郎の体操を見ることが必要なのわかっててちゃんと玲を待とうと、他のエージェントの目をすり抜けて玲とレオをお合わせようと色々画策してくれているのがとても愛しい。

 空港にたどり着いてもすぐにレオが見つかるはずもない。走り回り、時に妨害をうけながらもなんとかレオにたどり着いた玲。だが、レオの返事は昨日と変わらず試合には行けないの一点張り。

 お父さん待ってるよ? という玲の言葉にレオは「レイチェルは何も知らない。ジョーはいつも強いから、僕が行かなくても強い」と発言する。玲は、城太郎の弱いところを知っている。母が亡くなったあとから城太郎の体操は低迷をはじめた。体操を辞めるところまで落ち込んだ姿を一番近くで見てきた。それを救ってくれたのがレオなのだ。そのピンチを救ってほしい。

 だがレオはそんなのは偶然であり、自分は何もしていない。城太郎の期待からも、バレエからも逃げ出してしまうような男なのだと訴える。
 
 みんなから失望され見放されてしまうことを怖がるレオに玲は、もしレオが逃げ出してしまっても落ち込んでしまっても自分も城太郎も迎えにいくこと、今城太郎や玲が試合を見てもらいたいと思っているレオは今のレオであることを熱心に語り掛ける。そして、母の出演した映画の名シーンの台詞を高らかに再現する。その言葉は今のレオにぴったりの言葉。その言葉を聞いて、レオは城太郎の試合を見に行く決断をする。

 戻るとなったら大急ぎで向かわないと間に合わない。マリの車に積んであるターボボタンを駆使して大急ぎで会場へ。

 会場では続々と選手たちが種目をこなしていく。昨日の大崩れから一転、今日の鉄男はノーミスで最高得点をガンガンに繰り出していく。あっという間に順位は鉄男がトップへと躍り出る。鉄男のコーチである中ノ森も、今日は鉄男のための日であると絶賛するほどに、今日の彼はノリに乗っている。
 
 最後の鉄棒競技。ここでも鉄男は完璧に技を決め最高得点をたたき出す。これが未来のエースであるという実力を全世界に見せつける。鉄男の快挙は他の選手にも火をつける。鉄男や城太郎、そして滝沢もいい意味でマイペースだ。彼らのように何かに振り回されない姿勢を見習いたいと思う選手も多いようだ。

 ものすごいパフォーマンスを見せた鉄男の次が城太郎の番だ。神経を集中させ自分の番を待つ。頭の中を真っ白にし、何も音が聞こえないほどに集中する。そこに、玲の声が響く。その声に目を向けると、隣にはレオの姿が。

 レオと玲の姿を見た城太郎は、自分の番を迎え席を立つ。鉄棒に向かう彼の背中から、レオは初めて彼の演技を見た時と同じような気迫を見る。その気迫を見たのは、彼を鉄棒に乗せる手伝いをする天草も同じだ。

 全てをかけた最後の種目、鉄棒。彼は静かに回り始める。そして、この日のために練習してきたアラガキマークⅡを繰り出す。誰も成功がしたことがない4回転。綺麗に技を決め、そして不安視されていた着地もピタリと決める。

 この演技が本当に、アニメってすごいと思うようなぬるぬるの動きで見入ってしまうのだが本当に美しい一連の技。

 普通の試合のように解説もつくので臨場感が半端ない。画面の中のように、一緒に城太郎の成功を喜んでしまう。

 軌跡の4回転を決めた城太郎の得点は、歴史に残る高得点。もちろん鉄男よりも高い得点を記録し今大会は城太郎の優勝で幕を閉じた。一度は引退まで追い込まれた選手が、改めて立ち上がり誰も成し得なかった大技を習得して成功させる。どう感情を表現したらいいのか、とナレーターも言っていたが本当にその通りの世界中の人を勇気づけるすごいことを城太郎がみせてくれたという感じだ。

 初対面から城太郎に悪態をついてきていた鉄男も、城太郎の演技を見て涙をこぼす。彼は、城太郎に憧れて体操を始めたのだ。中ノ森監督の「さすがてっちゃんが憧れた選手だ」という台詞に泣かざるを得ない。なんとなく知ってたけどやっぱりー!

 だからこそ落ちぶれた姿見たくなかったんだよね。一番近くで一番かっこいいサムライが見れてよかったね!!

 そして、試合は終わり時が過ぎ、2年がたった。城太郎と玲、そしてマリはレオの舞台を見にイギリスへ。レオに来ることを告げていなかったらしいが、玲は絶対来てると思ってるよ、と自信を持っている。そして、レオがしっかりと舞台に躍り出たところでこの物語は終わってしまった。

 話題をかっさらったオープニングの「上海ハニー」ではなく、ブラックバックにエンディングテーマの「夢?」をかけておわったのだが、このエンディング曲が本当に最高だった。歌詞がぴったりで余韻に最高すぎだった。

 願わくば、2年の間に何があったのかとか、もっとキャラごとの掘り下げがみたかったなぁとか、イギリスで再会した荒垣一家とレオとのやりとりとかも見たかった。だけど本当に最高に最高の作品として終わってくれた。

 スポーツアニメとしてもかなり質の高いものになったのではないだろうか。次からオリンピックなどで体操見るのが楽しみになりそうだ。

 2期とか続編とか、ないかもしれないけれどあったらとっても嬉しい。またいつか、城太郎や玲たちの物語がみれることを願ってやまない。

TVアニメ『体操ザムライ』最高のフィニッシュだった第11話のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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