TVアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』ヒュンケルの悲しい過去が明かされた第11話

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　毎回思うのだが、敵キャラの皆さんキチンと細かく説明してくれて親切。ヒュンケルも今回沢山説明をしてくれた。

　ダイ渾身のアバンストラッシュもあっさりと回避したヒュンケルは、ダイがまだアバン流刀殺法を極めていないことを指摘。3日しかアバン先生の修行を受けていないダイはアバン流刀殺法第三の必殺技、空裂斬を習得していないのだから、それも当然か。

　ヒュンケルも空裂斬を習得していない。だが、それでも彼が放つ『アバンストラッシュもどき』は、ダイとは比べ物にならない威力を誇っていた。ヒュンケルの攻撃に倒れたダイにポップたちが駆け寄る。

　力の差は歴然。だが魔法使いのポップならば、戦士のヒュンケルとは相性がいいかもしれないと、思ったのもつかの間、ヒュンケルが「アムド」とキーワードを唱えると、持っていた剣の鞘が全身を覆う鎧にチェンジした。

　この鎧がすごい。ヒュンケルが最強というだけあって、ポップとマァムの魔法攻撃を全て反射。魔法を完全に防ぎ、戦士としての力量はダイよりも上。これでは勝ち目がない。

　打つ手なしの状況のなか、ひとりマァムは逃げ隠れせずヒュンケルと対峙。だが彼は女とは闘うつもりがないと取り付く島もない。それでも食い下がるマァムに対して、アバンが教えそうなことだとダイたちの感情を逆なでするように嘲る。

　マァムはなぜこんな男が「アバンのしるし」を持っているのか理解が出来ない。さらにヒュンケルはそれをマァムの目の前で捨て去ってしまう。彼はアバンの弟子を探り当てるためだけにあのしるしを持ち歩いていたというので、不要だと判断したのだ。

　ヒュンケルは一度は師事したアバンを心底憎んでいる。その理由はアバンが育ての親である地獄の騎士・バルトスの敵だと信じているからだ。

　旧魔王軍最強の兵士バルトス。孤児だったヒュンケルに名前を付け、魔王城でともに生活していた。だがある日、勇者アバンが魔王城を襲撃。バルトスはヒュンケルを安全な部屋に閉じ込め、勇者を迎え撃つべつ出陣する。しばらくしてから魔王の断末魔が聴こえ、場内は静まり返った。

　居ても立っても居られなくなったヒュンケルが部屋を飛び出すと、そこにはボロボロになったバルトスがいた。最後にヒュンケルに会えたことを喜びながら、バルトスは消滅。泣き叫ぶヒュンケルを見つけたのが、ほかならぬ仇、アバンだったのだ。

　アバンはヒュンケルはさらわれた子供なのだとしか思っておらずそのまま彼を保護、弟子として育て上げた。そして時が経ち、アバンから卒業の証をもらえることになった。その際に、バルトスのことを話し、敵討ちを試みる。

　だが、攻撃をアバンストラッシュではじかれ、海に落下。その後、大魔王の部下ミストバーンに助けられ、今に至るまで人間でありながら魔王軍の戦士として腕を磨き続けてきた。それから編み出した技は、今やアバンのものを超えるという。その中のひとつである、必殺技ブラッティスクライドでダイたちを討たんとする。

　苦戦するダイを見て、ポップは彼の額に紋章が出てきた時のことを思いだす。今までどんなにピンチな条件になってもそれで乗り越えることが出来た。ダイの怒りに反応して現れる紋章を、今こそ出せ！　とゲキを飛ばす。だが、ダイはヒュンケルの過去を知ってしまい彼の行動にどうしても怒りを向けることが出来なかった。
　
　躊躇するダイに向かってヒュンケルは全身の自由を奪う【闘魔傀儡掌】を繰り出す。体の自由が奪われたダイに、ブラッディスクライドが炸裂しようとするその刹那、クロコダインが体を張って攻撃をブロック。

　クロコダインはポップに、ガルーダという鳥のモンスターを使って、ダイを連れて逃げろと指示。マァムは残しておいても、ヒュンケルならば手を出さないし、自分があとでちゃんと連れていくと約束までする。

　ヒュンケルは味方、しかも尊敬に値すると思っていたクロコダインが邪魔をしてくるとは思っていなかったため、動揺する。それでも、自分の邪魔をしてくるものに対して手加減など必要はない。ヒュンケルはクロコダインに突き刺した剣をさらに深く刺し通す。

　クロコダインはそれでもダイたちをかばった。彼はダイたちと闘うことで、人間の強さと優しさに気付いたという。ただ強いだけではなく彼らには心があるのだと。いつか生まれ変われるなら自分も人間になりたい、とまで言い残して気を失う。人間の味方をしたことが知れたら彼もただでは済まないだろう。それをわかってての行動だ。

　ダイたちはガルーダに連れられ、知らない場所にたどり着いていた。早く戻ってマァムを助け出したいが、現状どうしようもない。そんな時、彼らに声をかけてきた人物が……。
　
　まさかのクロコダインの参戦に驚いたが、敵すらも味方に変えていくのはさすがだ。どんどん話が展開し、敵側にも色々な思惑があって見ていて切ない。次回も楽しみだ。