TVアニメ『憂国のモリアーティ』映像美で視聴者の心を鷲掴み!?第1話

TVアニメ「憂国のモリアーティ」公式サイトより

 映像が美麗だとそれだけで引き込まれる。もちろんそれだけで視聴継続することはないかもしれないが、1話目の掴みとしては大いに意味がある。古き良きイギリスを舞台に、誰もが一度は読んだことがあるだろう「シャーロック・ホームズ」の宿敵であるモリアーティ教授を主人公に据えた今作。犯罪による革命とは一体どういったものなのだろうか。

 追い詰められる少年の描写からスタートという不穏な本編。どうやら今、少年ばかりを狙った猟奇事件が相次いでいるらしい。最近7人目の死体が発見されたようだ。このニュースを新聞で見ていたのは、今作の主人公、ウィリアム・ジェームズ・モリアーティだ。彼には弟、ルイス・ジェームズ・モリアーティがおり、なぜか弟が執事のようにウィリアムの身の回りの世話をしている。

 人の所業と思えないことをするのが人間、とウィリアムはこの事件がある一定の地位についている人間による犯行であることを新聞記事から読み取った。警察すら手がかりが無くてお手上げといわれている事件なのに、新聞を読んだだけでなぜわかるのか?それは殺された子供たちの共通点。それが2人3人なら偶然で片付けられるが5人、6人と増えていけば共通点を発見できる。さらに、被害者の中に一人だけ孤児の少年がいたこと、これが手がかりとなりうるかもしれない。とにらんだウィリアムは、事件の詳しい捜索を始めることにしたようだ。

 一方、ウィリアムとルイスの兄、アルバートはこの一連の事件の被害者の一人であるロディの父の営む仕立て屋にやってきた。

 いつもここで衣服を仕立てているようで、ロディとも顔見知りだったようだ。父は気落ちしていたが、仕事をしていた方が気がまぎれると、さみしく笑う。だが犯人が憎くてたまらないという気持ちを持っていることが垣間見えるような様子もうかがえる。

 ウィリアムは、唯一の孤児だった少年の遺品を使い街で日銭を稼ぐ少年を発見し、亡くなった少年が普段どこを縄張りにしていたかを聞きだしていた。彼がいうには、自分がやっていた場所の二本先の通りだということで、その場に赴くとその場をよく見渡せる場所には、ガストロスクラブのクラブハウスが建っていた。美食家の貴族たちが集う場所らしい。

 後日、そのクラブに向かうウィリアム。窓際の席には既に客が座っていた。ボーイにあの席にはいつも同じ人物が座っていることを聞きだしたウィリアムはその席へ赴き腰を掛ける。座っていたのはアーノルドという伯爵の称号をもつ人物だ。

 ウィリアムは、アーノルド伯爵にロディの店で仕立てた服のこと、殺された少年たちの親の家を利用しているだろう事実をツラツラとあげると、どんどん顔色が変わっていく。確実にこの男が犯人であることを自白しているようなものだが、もちろんそこで口を割ったりはしない。アーノルド伯爵はそのまま彼の前から姿を消すが、ウィリアムのあとを屈強な部下が付け回すようになる。だがその相手を逆に縛り上げ、アーノルド伯爵共々連れ去ってしまう。

 アルバートはその間に、ロディの父親である仕立て屋に話を通し、ウィリアムが待つ場所へと誘う。ロディが縛れていた時のように縛られたアーノルド伯爵。ウィリアムはタバコ一本分の時間だけ待つ、と外に出てロディの父とアーノルド伯爵を二人きりに。彼は血まみれの恰好で、ウィリアムの元に戻ってきた。

 復讐をして息子が帰ってくるわけではないにしても、庶民である彼が貴族階級のものにもつうっぷんも含めて自ら手を下したことで何かは変わったはずだ。

 このアーノルド伯爵の事件も下手人不明の事件として世の中では片づけられた様子。痕跡を消せば事件とは認識されない。それを完全犯罪という。彼らはクライムコンサルタントとして、こういった事件を請け負っているのだ。

「モリアーティ」という個人が3兄弟になっている点や、それぞれの性格の違いなどはまだ大まかとしかわからないが、後々現れるだろうシャーロック・ホームズと彼らがどのように対立していくのか、貴族と庶民の間に横たわる大きな壁にどのようにモリアーティたちがかかわっていくかなど、その美麗な画と共に楽しめそうだ。

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