第1話レビュー

『かつて神だった獣たちへ』重厚なダークファンタジーにどっぷりと浸かれる第1話!ギャグテイストがこんなにも似合わない作品はない!?

 今期注目のダークファンタジー『かつて神だった獣たちへ』の第1話がオンエアされた。


 【北部パトリアユニオン】と【南部パトリア連合】。永きに渡る内戦に終止符を打つべく、【北軍】は禁忌の力を用いる。【擬神兵】、その神にも喩えられる力により、戦局は一気に覆ることとなる。【擬神兵】は戦場に勝利をもたらし英雄として迎えられたが、人には過ぎるその力は諸刃の剣でもあり、輝かしい戦果の裏で【擬神兵】たちの運命は次第に狂っていく。そして、【擬神兵部隊】隊長【ハンク】はある誓いを立てる。


●予備知識なくても大丈夫か?

 始まる直前にあらすじを覗いてみたとき、「あ、これは難しいやつかな……」と少し及び腰になった。軽い気持ちで見始めるには小難しい国と、物々しい内紛という文字にこれは政治が絡むっぽいストーリーなのかと勘違いしつつも、視聴を始めてみる。

 激しい戦闘によって絶望と死体が量産されるシーンが繰り広げられる。その中に似つかわしくない白い軍服をまとった一団が現れる。彼らは飛び交う銃弾にも、向けられる銃口にも怯えもせず歩を進める。

 そして、彼らに照準を合わせて銃が撃たれたとき、戦況は一変する。今まで普通の人間だった彼らが突如獣へと変身するのだ。

 あるものは翼が生え、あるものは鱗に覆われ、あるものには尻尾が生え、あるものは下半身が馬のようになる。

 生身の人間の攻撃は効かず、銃すらも跳ね返す。それまで不利だった戦況が、獣たちの出現により一瞬にしてひっくり返る瞬間だった。

 これが、タイトルにある『神と呼ばれた獣たち』なのか。と、ここで初めて理解をした。

 彼らはエイレン博士というひとりの女性によって、獣になる力を与えられ戦争に投入された存在のようだ。主人公のハンクが率いる異形集団は【擬神兵】と呼ばれ、敵からは恐れられ自国からは頼りの綱の集団として活動をしている。

 集団の中の絆も強く、仲間同士の仲の良さがとても伝わってきた。軍隊の中でこんなに信頼しあっていられるというのは辛い状況が多いだろう戦争の中では得難いものだろう。

 作品の雰囲気的に、ギャグっぽい描写が入るとどこか上滑りする感じがしてしまうのが残念だったが、微笑ましい空気は伝わってきた。頬が赤く染まるのがこんなに似合わないと思う作品もあるのか。

●立ち込める暗雲

 人間の体を改造して作られる擬神兵という力。局面が進む中で徐々に負荷が現れる。仲間のひとりが、投降した捕虜をさらに痛めつける事件が起きた。彼は自分の意志ではないことを告げながら、自身の押さえられない力に怯え自ら死を選んでしまう。

 エイレン博士にも原因を突き止めることができない、力の暴走。自我を失い他を襲う人間とはかけ離れた行為に、ハンクは「心を亡くしたものは仲間の手で葬る」という誓いを仲間と共に立てる。

 しかし、残酷にも時間が経てば経つだけ仲間をその手で葬らねばならない。戦争という神経がただでさえすり減る状況の中、いつ自分が自我を失うのか、仲間をこの手で葬らねばならないかという意識でどんんどんメンバーの士気が下がっていく。そこでハンクは彼らを鼓舞する言葉をかけ、明日の決戦に備える準備をするのだった。

 そこに、想い人のエイレン博士から話があると呼び出される。こういう時は対外悪い話がほとんどだ。

 擬神兵を生み出したことに疑問を持ち始めたエイレン博士は、戦争が終わったら彼らの存在が市民を怖がらせるだけのものになることを危惧し、彼らを始末することに決めたのだった。一番最初に手を下す相手がハンクだった。

 最愛の人から銃を向けられたハンク、意識が朦朧としながらも彼女の行動を見続けていると、彼女の行動の片棒を担ぐ親友だったケイン。仲間を全員殺して自分たちも死のうという計画だったようだが、ケインが反旗を翻す。

 擬神兵の誓いの元に、ハンクはどこを目指すのか?

 ハンクが目を覚ました時には戦争も終り、ケインもエイレンも姿を消していた。裏切りを起こしたケインへの怒りと、かつて仲間と誓った約束を守るため生き残った擬神兵を葬ることに決めたハンク。

 彼は擬神兵を葬り去り続けた果てに、いったいどのような未来を望んでいるのだろうか。高笑いの末に消えたケインは何を企てているのか。エイレンは生きているのだろうか。そして、ラストに映った少女は誰なのか。

 第1話の30分の中で重厚な初期設定を説明するためにかなりギュっと詰め込んだ感はあったものの、難しいかもと尻込みしていた筆者も引き込まれる世界観を見せてくれた。期待の高まる第1話だった。

 原作もまだ続いている作品なので、どこまで描かれるのか。この最初の壮大さが肩透かしにならないよう、圧巻の世界観を見せつけてほしい。
(文=三澤凛)

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