『笑ゥせぇるすまんNEW』第4夜 サウザーさんも言ってた「愛ゆえに人は苦しまねばならぬ」愛は危険危険

■走行者天国

1、主人公
 道原駆、32歳サラリーマン

2、境遇
 ストレス解消のために朝のジョギングをしている。が、ボールをぶつけられたり、犬に追いかけられたり、木にぶつかったり。災難続きで、ストレスを溜めている。

3、喪黒さんがわたしたもの
 走行者天国免許証。これを持って走ると邪魔な人や障害物がすいすいあちらから避けてくれる。喪黒さんが出した忠告は、絶対に他の人には内緒にしておくこと。

4、ドーンのきっかけ
 美人ランナーに走行者天国免許証をコピーして渡す。彼女がフェイスノート(Facebook的なSNS)でそれをアップして拡散。他のランナーも免許証を持ち始めたため、道原の持つオリジナルの効果がなくなった。

5、旧作データ
 なし。オリジナル

■愛の呪縛から逃れられない

 あれくらいのことは愛情で補えるでしょう
 なんて言ったって彼女の内面を愛しているんですからオーホッホッホッホ

 喪黒さんは影野が直木のマンションに入ったのを見届けて立ち去って行った。直木は、思い描いていた彼女のルックスがあまりに違いすぎてビックリ。思わず悲鳴を上げてしまうルックスの相手とは結婚したくはない。でも、彼女を愛していると宣言してしまった以上、「あ、すいません。やっぱり興味ないです」とは言えない。

 愛ゆえに人は苦しまねばならぬ!!
 愛ゆえに人は悲しまねばならぬ!!

 かつて、聖帝十字陵で、愛の呪縛について声高に説いた男がいた。『北斗の拳』南斗鳳凰拳伝承者・サウザーである。
 捨て子だった自身を我が子同然に育ててくれたお師さんを、目隠しして殺してしまった(わざとじゃない)過去がある。その日以来、愛を捨てて、子どもを拉致してこき使う冷徹な聖帝になった。

 そんな男でも、最期はお師さんのぬくもりを思い出して死んでいった。捨てたつもりでもしつこく吸い付いてくるのが愛だ。
 もしかしたら相手の口がすごく臭いかもしれない、鼻糞をソファ裏に擦り付ける癖があるかもしれない。相手のことを全然知らない状態で愛を語るというのは危険行為である。

■旧ではキュート、NEWではセクシー

 旧アニメでもマンガでも下着姿になった女性・影野映子。新旧アニメで見比べてみると、ルックスにかなり違いがある。
 旧アニメではショートカット気味の髪型に、青い目。ピンク色の下着を披露していた。
 NEWは黒髪ロングストレートで切れ長の瞳をしていて、直木よりも高身長。タイトなミニスカートに、薄紫色で半分ケツを出すスタイルの下着をつけていた。菓子折りにマドレーヌを持ってきたりと、女子力も高い。
 旧アニメがキュート路線なら、NEWの影野はセクシー路線だ。

 昔、松浦亜弥が「ね~え?」という曲でセクシーとキュート、どっちが好きなのかを男に問う部分があった。俺だったらセクシーな方が好きだ。
 考えてみたら、セクシーというのは、色気で圧倒して、相手の行動を制限することでもある。
 そういう意味じゃあ、セクシーと恐怖は似ている。

 影野のおぞましいルックスにビビッて、逃げることもできず、ただ悲鳴を上げていたのは俺だったのか?

(文/山川悠

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