深夜にこっそり怖いお話を放送中『世界の闇図鑑』、第2話「雪の中の妖精」レビュー!

深夜にこっそり怖いお話を放送中『世界の闇図鑑』、第2話「雪の中の妖精」レビュー!の画像1テレビ東京・あにてれ『世界の闇図鑑』公式サイトより。

 世の中にはあなたの知らない闇がある。それを知りたければこの図鑑を開きなさい――

 斎藤工のセクシーな前口上から始まる『世界の闇図鑑』(テレビ東京)。カルト監督・井口昇が手がける紙芝居アニメ、その第2話は……

 
 ぜ、前回とイラストが違う!! こう来ましたか!!

 レトロな劇画だった第1話(イラスト:海老原優)と異なり、今回は絵本チックで可愛らしいながらも、筆のタッチがナマっぽい絵柄である。手がけるのは特撮ヒーローの写実的なイラストに定評がある工藤稜。特撮好きな井口監督の人脈か? それとも趣味か?

 物語の舞台は雪山。主人公である少年の名前はミハイルで、父親の職業は猟師。どう見てもロシアである。「世界の」と謳っているのでおかしくはないものの、第1話とのギャップがデカすぎてビックリだ。

 第2話「雪の中の妖精」の物語を要約してみよう。
 ミハイルが雪だるまを作っていたら、気難しいお父さんにぶっ壊されました。お父さんはいつもこんな調子で、お母さんともケンカばかり。ミハイルは息が詰まりそうな毎日を送っていたのです。

 その夜。ミハイルが窓辺で悲しんでいると、壊されたはずの雪だるまが、窓の外からミハイルを呼ぶではありませんか。家を飛び出すミハイル。しかし追いかけてきた父親が彼を捕まえてこう言います。
「魔物がいるからダメだ!」
 その時、雪だるまがお父さんを崖から突き落としました(すげえ急展開!)。

 ミハイルは雪だるまに抱きついて言いました。
「ありがとう、君は本当の友達だよ。君のためなら死んだって構わないよ」(すげえ飛躍した台詞!)
 すると雪だるまはこう言いました。
「本当かい? 僕に命をくれるかい?」
 その瞬間、雪だるまが崩れ、中から毛むくじゃらの身体と鋭い爪、牙が現れました。崖の下で瀕死のお父さんが叫びます。
「逃げろ、そいつは魔物だ!」
 お父さんの必死の呼びかけも空しく、ミハイルは雪だるまに化けた魔物に殺されてしまいましたとさ。しかもベアハッグで(えーっ!)。おしまい。

 いろいろ強引な内容ではあるが、可愛い雪だるまから魔物が出てくるくだりは、想定内とはいえ禍々しくホラー感満載。雪山の閉塞感、少年の孤独感も最小限ながらバッチリ描かれており、「山から下りてきて人をさらったり殺したりする」という超絶ベタな設定の魔物がそれなりに怖く感じられる。

 童話的ともいえる普通のお話を、唐突な展開もありつつ真面目にやり切り、ちゃんとしたホラーにまとめた感のある第2話。公式サイトで魔物のことを「UMA」「雪山の獣人」と、陳腐なオカルト用語で表現している点に内容との齟齬を感じなくもないが、これはこれでアリでしょう。

 話のノリやイラストレーターを毎回変えるらしい、と判明した『世界の闇図鑑』。第3話がどうなるかイイ意味でまったく先が読めません!
(文/JUP-ON STUDIO)

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