ロボットは人間の仕事を奪う存在ではなく“仕事仲間”になる!? 人間とバディを組んで働くロボットが登場

 将来、国内の仕事の49%がロボットに奪われる――。昨年12月に野村総研が発表した未来予測レポートが社会に大きなショックをもたらした。これが本当ならロボットは労働者の仕事を奪う“敵”となるが、一方でフォードの自動車工場では工員とロボットが“バディ”を組んで仲良く働いているという。

1607_human_and_robots.jpg「Ford」より。

■人間とロボットのバディシステム

 ドイツ・ケルンに構えるフォードの自動車工場では、人間の工員と協力して働くロボットが活躍している。コ・ボッツ(co-bots)と呼ばれるこのロボットは、フォードの小型乗用車「フィエスタ」の製造ラインで、車体の足回りの要であるサスペンションを取り付ける作業を人間の工員と共に行なっているのだ。精確さと器用さが求めらる作業だが、人間と協力することで的確に素早く作業を遂行することができる。

 もちろん、これまでもロボットは自動車の製造ラインで長らく活躍を続けているが、ロボットの担当区分に人間が関わるのはきわめて危険であり、共同作業は厳禁とされてきた。しかし新しいロボット技術が、人間とロボットに安全かつ能率的に共同作業させることを可能にしたのである。

自動車製造ラインで人間とロボットが“バディ”を組む「Ford Europe」より

 共同作業を可能にしたのは、飛躍的に向上した安全性にある。ロボットの腕と指には高感度センサーが装備されており、人間が接触した際には即座に動きが止まるようにプログラムされている。共に働く人間の安全を第一に設計されているのだ。

「ロボットは作業を簡単に、安全に、そして素早く終わらせることを手助けしています。人間とロボットの共同作業は、新車の開発と生産において無限の可能性を開くものになります」と、欧州フォードのカール・アントン氏は同社サイトの記事で語っている。

 このコ・ボッツと人間との共同作業を導入した製造ラインは、同社の“第4の産業革命”を目指す「Industry 4.0」の中の1つの重要な試みであるということだ。自動車製造が全盛期の頃のアメリカでは、工場作業員は常に2人1組で作業を行なう“バディシステム”が採用されていた時期があったといわれているが、意外なかたちで今度は人間とロボットのバディシステムが復活するのかもしれない。

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ロボットの世界は来るのか

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